雑木を伐採中、木が裂けて折れ、折れた木の下敷きとなる
業種 | 木材伐出業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 立木等 | |||||
災害の種類(事故の型) | 崩壊、倒壊 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 危険な状態を作る |
No.101279
発生状況
この災害は、雑木の伐採を行っていたところ、木が縦に裂けて倒れ、その下敷きとなったものである。 被災者らは、5名で、杉を伐採し搬出する作業の前作業として、雑木を伐採する作業を行っていた。 当日の伐採作業は、現場責任者の指示に基づき、それぞれが離れた場所で行っており、被災者は、傾斜角約25度の斜面において、谷側に傾いて立っているため重心が幹の中心より谷側に偏っている直径約20p、高さ約14mのクヌギの伐採作業を行っていた。まずは、受け口を切り、次に、追い口の切り取りに着手したところ、切り口から上方約4mに渡り、木が裂けて木の上部を下にして倒れ、その後、地面でバウンドし、その木の下敷きとなった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 作業方法が不適切であったこと 伐採に際し、受け口が浅く、また、「下切り」と「斜め切り」の終点が一致しておらず、更に、伐採する木が傾いており重心が谷側にあったため、追い切りの途中で、木が裂けてしまい、予定した方向でない方向に倒れてしまった。 |
2 | 作業計画が不十分であったこと 当日の作業は、杉を伐採・搬出する作業の前作業である雑木の伐採であり、どの木を誰が伐採するかなどは、当日に決定された。このため、具体的な作業方法は決められていなかった。 |
3 | 労働者が作業に不慣れであったこと 被災者の所属していた事業場は、建設の作業も行っており、被災者は、伐木の作業に慣れてはいなかった。 |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | ||
1 | 作業方法を定め、それに基づき作業を実施すること 伐採に際しては、伐採する木の傾き具合などの形状や周囲の状態などに配慮した適切な作業手順を定め、それに従い作業を行う。 | |
2 | 退避場所を確保すること 伐採に際しては、退避場所の確保を確実に行う。 | |
3 | 安全衛生教育を実施すること 労働者に対し、伐採方法、退避方法、作業の危険性などについて、安全教育を計画的に実施する。 また、作業に当たっては、労働者の技能を考慮して行う。 |