大型看板解体中に看板が倒壊
業種 | その他の建築工事業 | |||||
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事業場規模 | 1〜4人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 建築物、構築物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 崩壊、倒壊 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | その他の建築工事 | ||||
災害の種類 | コンクリート擁壁、レンガ等の倒壊 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業手順の誤り | |||||
発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
発生要因(管理) | 不意の危険に対する措置の不履行 |
No.101250
発生状況
この災害は、構造物をアセチレン溶接装置で溶断中に当該構造物が倒壊し、溶断作業をしていた作業者に激突したものである。 この作業は、鉄くず回収業等を営む事業者が、営業を閉鎖した店舗の大型看板を譲り受け、鉄骨を回収するために行っていたものである。看板は、縦1m×横3mの鉄板5枚をコの字型に連結したものを6本の鉄骨で支えていた。 最初は、車両積載型トラッククレーンで引っ張りながら6本の鉄骨根元を溶断し、当該クレーンでつりあげようとしたがつりあげることができなかった。次に、クレーンの牽引用フックにワイヤロープを掛けて看板を引き倒すこととしたが看板は倒れなかった。このため看板を小分けすることとし、被災者は脚立に乗り、アセチレン溶接機で鉄板の固定を切断していたときに看板全体が倒壊を始め、被災者に激突したものである。 当該事業場で行う鉄くずの回収は小規模のものが多く、今回初めて大規模な解体作業を行っていたものである。 被災者は、ガス溶接技能講習修了の資格を有していなかった。また、保護帽を着用していなかった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 事業場としてこれまで経験したことのないような大型の建築物の解体について、あらかじめ安全な解体方法等の検討が行われなかったこと。 建築物の解体の作業においては墜落災害、飛来落下災害、倒壊災害等が発生しており、これらの災害を防止するためにはあらかじめ安全な解体方法等について検討することが不可欠であるが、当該事業場においては、これらの検討が行われていなかった。 |
2 | 大型の建築物の解体について、無理な解体方法をとったこと。 当該看板はコの字型とはいえ、全長が15mに及ぶ長さのものを一度にクレーンでつって解体しようとした。重量もさることながら、横に長いものをつることによって全体にねじれが生じ、さまざまな形で構造物が変形するおそれがある。 |
3 | 溶断作業にあたった者の技能が未熟であったこと。 鉄骨等の溶断作業を行った被災者は、鉄骨の解体業務についてもほとんど経験がなく、しかも、ガス溶接技能講習も修了していなかった。被災者が溶断を行った鉄骨は一部に完全な溶断が行われていない箇所があり、最初にクレーンでつりあげられなかったことがこの災害の一要因ともなっている。 |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | ||
1 | 安全な作業計画を定めること。 建築物の解体に当たっては、倒壊、墜落、飛来落下等の防止の観点から安全な作業計画を定め、作業者に周知する。特に大型の建築物は予想外の方向に倒壊することがあるので、安全の確認できる範囲でできる限り小分けした解体方法とする。 |
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2 | 作業指揮者を配置すること。 大型建築物の解体に当たっては、作業指揮者を定め、関係者 以外の立入禁止、保護具の使用状況等を監視させるとともに、作業指揮者の指示の下に作業を行う。 |
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3 |
資格を有しなければ就業できない作業について、資格の確認をすること。 職場で行われる作業には、一定の知識、経験がないと正しい作業ができなかったり、危険な作業方法を取ったり、必要な確認をしなかったりして、それらのことが要因となって災害が発生するものがある。労働安全衛生法で必要な資格を定め、資格を有していない者の当該作業への就業を禁じている作業に労働者を就かせる場合は、必要な資格を有している者であることを確認しなければならない。 |