ヒューム管を天井クレーンで移動中、はさまれて死亡
業種 | セメント・同製品製造業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | クレーン | |||||
災害の種類(事故の型) | 激突され | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業手順の誤り | |||||
発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
発生要因(管理) | つり荷に触れ、下に入り又は近づく |
No.101222
発生状況
この災害は、下水道用のヒューム管を製造する工場において、天井クレーンを用いて、ヒューム管の移動作業を行っているときに発生したものである。 災害発生当日、被災者は、同僚と2人で天井クレーン(つり上げ荷重15.19t)を用いて無線操作でヒューム管(直径3.5m、長さ2.6m、重量15t)を天井クレーンでつり上げて移動する作業を行っていた。 被災者が、床上から無線操作で移動予定場所までヒューム管を移動させ、そこに降ろそうとしているとき、ヒューム管を降ろす場所を他の場所に変更するよう同僚作業者から指示を受けた。そこで、被災者は、天井クレーンでヒューム管を再び移動しようとしたところ、つっていたヒューム管が振れ、近くに置いてあったヒューム管に接触した。その時被災者は、2本のヒューム管の間に入り、一人で荷振れを止めようとして、2本のヒューム管の間にはさまれて死亡した。 被災者は、当該クレーンを運転する資格を有しておらず、無資格でクレーンの運転を行っていた。 また、この工場では、作業計画を定めておらず、同僚作業者と作業計画に沿った作業開始前の確認と打合せが十分行われていなかった。 さらに、クレーン作業のための標準操作手順を関係労働者に周知徹底しておらず、クレーン作業に伴う危険性等についての安全衛生教育も十分に行っていなかった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 被災者が、無資格でクレーンを運転し、このため、荷振れを止めようとして、2つのヒューム管の間に入ってしまったこと |
2 | 作業計画が定められておらず、同僚作業者と作業計画に沿った作業開始前の確認と打合せが十分行われていなかったこと |
3 | クレーン作業に関する標準操作手順を関係労働者に周知徹底しておらず、クレーン作業に伴う危険性等についての安全衛生教育も十分行っていなかったこと |
対策
同種災害を防止するためには、次のような対策が必要である。 | |
1 | 資格を有する者にクレーンの運転を行わせること |
2 | 作業計画を定めるとともに、同僚作業者と作業計画に沿った作業前の確認と打合せを十分に行わせること |
3 | クレーン作業に関する標準操作手順を関係労働者に周知徹底するとともに、クレーン作業に伴う危険性等についての安全衛生教育を十分行うこと |