角材を加工中、携帯用丸のこ盤が反発して作業者に当たり死亡
業種 | 道路建設工事業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 丸のこ盤 | |||||
災害の種類(事故の型) | 切れ、こすれ | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 道路建設工事 | ||||
災害の種類 | 分類不能 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 防護・安全装置が不完全 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 安全装置の調整を誤る |
No.101205
発生状況
この災害は、河川の護岸工事現場で発生したものである。 災害発生当日、作業者Aは、携帯用丸のこ盤を使用して角材(長さ50cm、縦と横ともに5cm)を加工して測量用の杭を作るよう職長Bから指示された。 Aは、資材置き場から材料の角材を十数本持ってきて、携帯用丸のこ盤を使用して加工作業を始めた。Aが丸のこ盤と角材を手に持って、作業していたところ、携帯用丸のこ盤が反発し、はずみで丸のこ盤の歯がAに当たった。Aは、病院に搬送されたが、死亡した。 Aが使用していた携帯用丸のこ盤は、元々取り付けられていた安全カバーの金具が変形していたため、安全カバーが正常に作動せず、歯が剥き出しのままであった。また、この携帯用丸のこ盤は、管理責任者が定められておらず、点検や整備も行われていなかった。 Bは、Aに作業を指示した際、安全な作業方法について具体的に示していなかった。さらに、この事業場では、作業者に対して、携帯用丸のこ盤の取扱い等についての安全教育を実施していなかった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 携帯用丸のこ盤の安全カバーが正常に作動せず、歯が剥き出しの状態で使用したこと |
2 | 携帯用丸のこ盤と角材を手に持って、不安定な状態で作業したこと |
3 | Aに対する作業方法の指示が不明確であったこと |
4 | Aに対して、携帯用丸のこ盤の取扱い等についての安全教育を実施していなかったこと |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 携帯用丸のこ盤は、安全カバーが正常に作動するように点検し、整備しておくこと 携帯用丸のこ盤は、管理責任者を定めて、点検し、安全カバー等に不良があれば直ちに修理して、常に良好な状態に整備しておく。 |
2 | 携帯用丸のこ盤を使用する際は、安定な状態で使用すること 携帯用丸のこ盤を使用する際は、角材等の切断する材料を固定した上で、携帯用丸のこ盤をしっかりと保持して、使用する。 |
3 | 作業指示は、安全な、作業方法を具体的に示すこと 臨時の作業を指示する際は、安全な作業方法を具体的に示すようにする。さらに、作業者の経験や能力に応じた指導を行うことも重要である。 |
4 | 携帯用丸のこ盤を取り扱う作業者に安全教育を実施すること 携帯用丸のこ盤を使用する作業者に、その危険性、安全カバー等の安全装置の機能、安全な作業方法等についての教育を実施する。 |