マシニングセンターで部品を加工中、テーブルとフレームの間にはさまれて死亡
業種 | ||||||
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事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 旋盤 | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 安全の不確認(以前の) | |||||
発生要因(人) | 近道反応 | |||||
発生要因(管理) | 動いている機械、装置等に接近し又は触れる |
No.101204
発生状況
この災害は、マシニングセンターで金属部品の加工を行っていた際、マシニングセンターのテーブルとフレームの間にはさまれたものである。 災害発生当日、Z社の作業者Aは、マシニングセンターを使用して、金属製小物部品10個の穴あけ加工を行っていた。 Aが6個目の部品をマシニングセンターのテーブル上のバイスに固定して起動ボタンを押し、テーブルが上昇したとき、テーブルの下に加工前の部品が転がっているのを見つけた。Aがこれを拾おうとしてテーブルの下に上半身を伸ばしたところ、6個目の部品の加工が終わってテーブルが下降し、テーブルとマシニングセンターのフレームの間にはさまれた。Aは、病院に搬送されたが、死亡した。 Aははさまれたとき、マシニングセンターのドアを開けたまま作業していた。このドアは、元々開けた状態では起動できず、また稼動中は開けることができないようにインターロックされていたものであるが、Z社では1年前にインターロック装置を無効にする改造を行って使用していた。 Z社では、マシニングセンターを使用する作業について作業手順書を作成していなかった。また、安全な作業方法等の教育を作業者に対して実施していなかった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | マシニングセンターのドアのインターロック装置を無効にする改造を行ったこと |
2 | マシニングセンターを使用する作業について、作業手順書を作成していなかったこと |
3 | 作業者に対し、安全な作業方法等に関する安全衛生教育を実施していなかったこと |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | マシニングセンターのドアのインターロック装置を無効にする改造を行わないこと 作業者が危険領域に接近することを防ぐドア等は、開けた状態ではマシニングセンターを自動運転できず、また、自動運転中はドアを開けることができないようにインターロックしたままの本来の状態で使用する。また、作業前には、全ての安全装置が有効な状態であることを点検・確認することも重要である。 |
2 | 作業手順書を作成すること マシニングセンターを使用する作業についてリスクアセスメントを行い、1以外の防護措置の必要性の有無や安全な作業方法について検討を行い、作業手順書を作成する。 |
3 | 作業者に対し、安全衛生教育を実施すること 作業者に対し、作業中の危険や安全な作業方法について作業手順書をもとに安全衛生教育を実施し、その内容を周知徹底する。 |