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労働災害事例

フレキシブルコンテナが崩壊し、下敷きになり死亡

フレキシブルコンテナが崩壊し、下敷きになり死亡
業種 一般貨物自動車運送業
事業場規模 16〜29人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 荷姿の物
災害の種類(事故の型) 崩壊、倒壊
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 物の置き方、作業場所の欠陥(部外の)
発生要因(人) 憶測判断
発生要因(管理) 確認しないで次の動作をする

No.101193

発生状況

 この災害は、はい付け作業で4段積みされたフレキシブルコンテナ(フレコン)に防水シートをかける作業中、フレコンのはいが崩壊し作業者が下敷きになったものである。
 当該事業場では、肥料の入出庫と保管を行っていた。災害発生当日、事業場の管理者Aは、作業者2名に入荷した肥料入りのフレコン約100袋(1袋500kg)を屋外にはい付けするよう指示した。2時間後に、はい付け作業が終了したので、引き続き、高さ4段に積まれたフレコン上(高さ2m以上)に作業者2名が乗り、フレコンに防水シートをかける作業を行い、Aは地上で防水シートの紐をフレコンの下の木製パレットの端に結び付ける作業を行っていた。このとき突然、積まれたフレコンのはいの一部が崩壊し、Aがフレコンの下敷きになり、救出されたものの搬送先の病院で死亡した。
 当該事業場では、ほぼ毎日、肥料が入荷し、はい付け作業と防水シートかけが行われていたが、作業手順書は作成されておらず、作業者に対する安全衛生教育も行われていなかった。
 また、Aも他の作業者2名も、はい作業主任者技能講習を受けていなかった。
 なお、フレコンは、メーカーの説明書には「はい積みは2段以下とすること」と記載されていたが、当該事業場では、4段にフレコンを積んでいた。

原因

 この災害の原因として、次のようなことが考えられる。
1  はい作業を行わせるにあたり、作業手順書を作成せず、また作業者に対する安全衛生教育も行っていなかったこと
2  はい付け作業(積荷の高さが2m以上)を行わせる場合は、はい作業主任者を選任し、直接指揮させなければならないのに、これを行っていなかったこと
3  フレコンの4段積みを行わせたこと
 フレコンのメーカーが2段積み以下とすることを指定していたにもかかわらず、当該事業場では特別な崩壊防止措置を講じることなく4段に積み上げていた。

対策

 同種災害防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  はい作業についての作業手順書を作成するとともに、作業者に対して安全衛生教育を実施すること
2  はい(荷)の高さが2m以上のはい付け又ははいくずしの作業を行わせる場合は、はい作業主任者を選任し、作業を直接指揮させること
3  はい付け作業の段数制限をすること
 はい付け作業では、はいが崩壊することがないように段数を制限することが重要であり、この場合メーカー指示の2段積み以下としなければならない。