フォークリフトで運搬中、ボックスパレットが崩壊し、作業者に当たり死亡
業種 | 自動車・同付属品製造業 | |||||
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事業場規模 | 300〜999人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | フォークリフト | |||||
災害の種類(事故の型) | 崩壊、倒壊 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 通路が確保されていない | |||||
発生要因(人) | 分類不能 | |||||
発生要因(管理) | その他の不安全な行動で |
No.101180
発生状況
この災害は、プレス加工工場内において、フォークリフトで荷を運搬中に発生したものである。 災害発生当日、最大積載荷重1.5トンのフォークリフトに、プレス加工された部品を入れたボックスパレット(荷物の保管、運搬に用いる金網等の囲いがある荷台)を4段(高さ約2.8m、重さ約1トン)に積み、工場内の通路を後ろ向きに走行していた。 走行中、フォークリフトの後輪が通路の溝に被せてある鋼製の蓋(地面との段差約10mm)を乗り越えた衝撃で、フォークリフトが振動した。そのため、積荷のボックスパレットが右側に傾きかけた。そこで、ボックスパレットを走路上に降ろそうとフォークリフトを一旦停止させたところ、ボックスパレットだけがそのまま崩壊し、通路に面している休憩所にいた別の作業者を直撃した。 なお、当該休憩所は走行路側が全面解放状態であり、開放面に柵を設置する等の安全対策は行われていなかった。 また、フォークリフトの運転手や関係作業者に対して、フォークリフトの安全な取り扱い方法についての安全教育を十分に行っていなかった。 |
原因
この災害の原因として、次のようなことが考えられる。 | |
1 | フォークリフトの走行路に路面より高い段差があり、減速しないで不注意にこれを乗り越えようとしたこと |
2 | ボックスパレットを4段積み(高さ約2.8m)にしたことから、積荷の重心位置が高く、安定度が悪かったこと |
3 | フォークリフトの走行路に面して、走行路側が全面開放の休憩所が設置されていたが休憩所に堅固な柵を設置する等の安全対策が行われていなかったこと |
4 | フォークリフトの運転手や関係作業者に対して、フォークリフトの安全な取り扱い方法等についての安全教育を十分に行っていなかったこと |
対策
同種災害防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | フォークリフトの走行路は、事前に障害物等の有無について十分点検し、できるだけ段差をなくす等の整備を行うこと |
2 | フォークリフトによる荷を運搬する場合は、積荷を安定した状態にするため、できるだけ積荷の重心位置を低くすること なお、荷の積載条件については、法令上の規定によるほか、フォークリフトの構造上の特性及び荷の安定度等を勘案して、フォークリフトに多少の衝撃があっても荷が崩壊しないよう段積みを低くするなどの方法をとることが必要である。 |
3 | 休憩所を安全な場所に移設するか、休憩所の開放面に堅固な柵を設置する等の安全対策を講じること |
4 | フォークリフトの運転手や関係作業者に対して、フォークリフトの安全な取り扱い方法等についての安全教育を十分に行うこと |