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労働災害事例

グラインダーによる石材加工中に、研削といしが破損し被災

グラインダーによる石材加工中に、研削といしが破損し被災
業種 その他の土石製品製造業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 研削盤、バフ盤
災害の種類(事故の型) 飛来、落下
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 防護・安全装置がない
発生要因(人) 省略行為
発生要因(管理) 欠陥のある機械、装置、工具、用具等を用いる

No.101177

発生状況

 この災害は、墓石の製造・販売を行っている事業場で、墓地の外柵に使う石材を携帯用 グラインダーを使用して加工しているときに発生した。
 災害発生当日、作業者Aは、グラインダーに取り付けたストレートカップ形研削といしの周面(使用面でない面)で石材の曲線部を削って歪みを直す作業を行っていた。作業を開始して数十分後に突然研削といしが破損し、飛散した研削といしの破片が保護めがねを弾き飛ばしてAの目に当り、被災したものである。
 Aが使用していたグラインダーは、無負荷回転速度10,000回転/分、研削といしの外径69mm×厚さ45mm×穴径19mmのものを使用していたことから、周速度は2,166m/分となり、その周速度でグラインダーを稼動させていたが、当該研削といしに表示されていた最高使用周速度は1,800m/分であった。
 また、研削といしの覆いは設けられておらず、さらに作業開始前のグラインダーの試運転も行っていなかった。なお、Aに対しては、研削といしの取替えや取替え時の試運転について必要な特別教育も行っていなかった。

原因

 この災害の原因として、次のようなことが考えられる。
1  研削といしの最高使用周速度を超えて使用していたこと
 グラインダーの最高使用周速度は、安全上絶対守らなければならないものであり、どのような場合でもこれを超えた速度で使用してはならない。
2  研削といしの使用面ではない周面を使用して研削作業を行っていたこと
 災害の原因となった研削といしは、ストレートカップ形で側面が使用面であるが、災害発生時は使用面でない周面を使用していた。
3  研削といしの覆いを設けていなかったこと
4  グラインダー作業開始前に試運転を行わなかったこと
5  Aに対し、研削といしの取替え等の業務に係る特別教育を行っていなかったこと

対策

 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  研削といしをグラインダーに取り付ける際は、無負荷回転速度と研削といしに表示された最高使用周速度が適応しているか確認し、最高使用周速度を超えてグラインダーを使用しないこと
2  研削といしの使用面を確認し、使用面以外の個所を使用して研削作業を行わないこと
3  研削といしが万一破損した場合、といしの破片の飛散を防ぐために、研削といしの覆いは必ず設けること
4  グラインダーを使用する際は、作業開始前には1分間以上、研削といしを取り替えたときは3分間以上試運転を行うこと
5  研削といしの取替えや取替え時の試運転の業務を行わせる作業者に対して、特別教育を行うこと