農業用排水路の改修工事で、排水路内を不整地運搬車で走行中に橋に激突
業種 | その他の土木工事業 | |||||
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事業場規模 | 1〜4人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 不整地運搬車 | |||||
災害の種類(事故の型) | 激突 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | その他の土木工事 | ||||
災害の種類 | 不整地運搬車 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 区画、表示の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
発生要因(管理) | 不意の危険に対する措置の不履行 |
No.101141
発生状況
この災害は、既設の農業用排水路をコンクリート製に改修する工事で、掘削した土砂を不整地運搬車で運搬する作業中に発生したものである。 災害発生当日は、排水路の底にたまった土砂の掘削、搬出作業の初日であった。作業内容は、土砂を掘削する排水路の中に小型のドラグ・ショベル1台および不整地運搬車(最大積載量0.9t)1台を入れ、ドラグ・ショベルで掘削した土砂を不整地運搬車で運搬して排水路内の1箇所に集積し、これをドラグ・ショベルで排水路の横に配置したダンプトラックに積み込み、土捨場に運搬するというものであった。 当日は、工事を請け負ったZ社の現場代理人Aと作業者B〜Dが朝礼で作業方法と役割分担を確認した後、作業を始めた。役割分担は、Bが不整地運搬車を、Cがドラグ・ショベルを、Dがダンプトラックを運転するというものであった。Aは作業が始まると同時に現場を離れた。 午後5時頃、辺りが暗くなってきたため、この日の作業を終えることになり、Bは最後の土砂を運搬するため不整地運搬車をバックで運転していたところ、土砂の集積場所を通り過ぎ、排水路に架けられていたコンクリート製の橋に激突した。 不整地運搬車が集積場所を通り過ぎたことに気づいたCとDが駆け寄ってみると、Bは橋と荷台の握り棒の間にはさまれており、直ちに病院に搬送されたが、死亡した。 Bは、車両系建設機械の運転資格はあったが、不整地運搬車の運転資格はなかった。Z社では、作業者の資格の確認は行っていたが、通常、不整地運搬車を使用する工事を行っていなかったため、不整地運搬車の運転資格は確認していなかった。 この工事については、工事計画書の作成や安全な作業方法の検討は行われておらず、作業方法や役割分担が、当日の朝、Aから作業者に口頭で指示されただけであった。 |
原因
この災害の原因としては、次のことが考えられる。 | |
1 | 工事計画の作成や安全な作業方法の検討を行わなかったこと |
2 | 資格がない作業者に不整地運搬車を運転させたこと |
3 | 現場代理人が作業の監視を行っていなかったこと |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 安全な作業方法を検討した上で作業計画を定めて作業を行うこと 工事を行う前に予想される危険や安全な作業方法を検討した上で工事計画書を作成し、その内容を関係作業者に徹底する。激突するおそれのある構造物がある場合は、土砂の集積場所を離すか柵を設置する等の対策を行った上で工事を始める。 |
2 | 工事で使用する建設機械や荷役運搬機械は運転資格を有する者に運転させること 不整地運搬車を運転する作業者は、最大積載量が1t以上のものは技能講習を修了していること、1t未満のものは特別教育を受講していること、がそれぞれ必要であるので、計画の段階で作業者の資格の有無を確認し、無資格者には運転させないようにする。 |
3 | 責任者が作業状況の監視、確認等を行うこと 現場の責任者は、作業状況を監視、確認し、災害が発生しないよう必要に応じて作業者に指示を行う。 なお、一の荷でその重量が100kgを超えるものを不整地運搬車に積み下ろしをする場合には、作業の指揮者を指名し、次の事項を行わせる必要がある。 [1] 作業手順および作業手順ごとの作業の方法を決定し、作業を直接指揮させること [2] 器具および工具を点検し、不良品を取り除くこと [3] 当該作業を行う個所には、関係作業者以外のものを立ち入らせないこと [4] ロープ解きの作業およびシート外しの作業を行うときは、荷台上の荷の落下の危険がないことを確認した後に当該作業の着手を指示すること [5] 最大積載量5t以上の不整地運搬車への荷の積み下ろしのため作業者が床面と荷台の間を昇降する設備および保護帽の使用状況を監視すること |