小売店で食肉を焼いていたところ、プロパンガスが爆発し火傷を負う
業種 | その他の小売業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 可燃性のガス | |||||
災害の種類(事故の型) | 爆発 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業手順の誤り | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | その他 |
No.101140
発生状況
この災害は、業務用のガスレンジにより食肉を焼いていたところ発生したものである。 災害発生当日、食肉小売店のZ店では、取引先から1本約1.5kgのローストビーフ8本の注文を受けていたので、作業者Aが1人で厨房に入り、午前9時頃までに8本分の食肉材料の準備を終わった。続いてガスレンジ上方の換気扇を稼動し、同時にガスレンジにつながるガスの元栓を開け、さらにガスレンジのバルブも開けて携帯用点火器によりガスレンジに点火した。 10分程して、Aは、ガスレンジ上の鉄板の温度が上がったのを確認して、1本目の食肉を鉄板の上に乗せた。1本目は、約10分で焼きあがり、続いて2本目の食肉を鉄板の上に乗せたとき、ガスレンジの下方から火が噴くと同時に「ドーン」という爆発音がし、Aは後方に飛ばされた。 Aは、自分のズボンについた火や厨房の火を流しのホースを使って水道水で消火した。その後、Aは事務所に連絡を取り、病院に行って治療を受けたが、約1ヶ月間の入院を要した。 Z店の厨房では、プロパンガスの配管は、元栓のあとY字管で2つに分岐しており、一方はガスレンジに接続されていたが、他方はガス器具に接続されておらず開放状態にあった。そのため、Aが元栓を開けたときにガス器具に接続されていない接続口からガスが漏れ、ガスレンジの火が引火したものであった。厨房にはガス漏れ検知器や警報機は設置されていなかった。 この厨房は、取引先から特別の注文が入ったときのみ使用されるもので、災害発生当日以前は1ヶ月以上使用されていなかった。そのため、Z店では、ガスレンジの使用・点検方法についてのマニュアルを作成していなかった。 |
原因
本災害の原因としては、以下のことが考えられる。 | |
1 | 元栓のあとの分岐したガス配管からガスが漏れたこと |
2 | 厨房にガス漏れ検知器や警報機が設置されていなかったこと |
3 | ガスレンジの使用の点検方法についてのマニュアルを作成していなかったこと |
対策
災害の再発を防止するためには、次の対策の徹底が必要である。 | |
1 | 使用していないガス配管の先端には必ずガス止め栓を使用すること |
2 | ガス漏れに備え、ガス漏れ検知器および警報器を設置すること |
3 | ガスレンジの使用・点検方法についてのマニュアルを作成し、作業者に周知徹底すること |