テーブル傾斜丸のこ盤で作業中、切り落とした木片が飛来して作業者に当り死亡
業種 | 木製家具製造業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 丸のこ盤 | |||||
災害の種類(事故の型) | 飛来、落下 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 防護・安全装置がない | |||||
発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
発生要因(管理) | 安全装置をはずす、無効にする |
No.101119
発生状況
この災害は、木製家具製造工場において、木製テーブルの天板の円周部をテーブル傾斜丸のこ盤で加工する作業中に発生したものである。 災害発生当日、木材加工を担当する作業者Aは、木製テーブル天板(厚さ4cm)を、テーブル傾斜丸のこ盤の約25度に傾斜させたテーブル不要部分を切除する作業を行っていた。 作業を開始して約15分後、Aが、テーブル傾斜丸のこ盤の正面に立ち、テーブルから6cm突き出した丸のこにテーブル天板の円周部を当て、切除する作業に取り掛かったところ、切り落とした木片(長さ33cm)が丸のこの回転面方向に飛来し、Aに当った。木材がはじける音を聞いた同僚がその方向を見るとAが倒れていたので、直ちに病院へ搬送したが、すでに死亡していた。 災害発生時、Aは、保護面、プロテクター等の保護具を着用せず、また防護用衝立も使用せず、作業を行っていた。 また、Aが使用していたテーブル傾斜丸のこ盤には、歯の接触予防装置および反発予防装置(割刃)が備えられていて、通常の作業ではこれらを使用していたが、当日は使用していなかった。 なお、工場では、木材の反ぱつや木片の飛来による危険がある作業の場合には、防護用衝立を使用することおよび機械の正面に立たないで作業することを口頭で指示していたが、作業手順書にその内容を盛り込んでいなかった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | テーブル傾斜丸のこ盤の反発予防装置を使用していなかったこと テーブル傾斜丸のこ盤による円周部の加工作業では、切り落とした木片の飛来による危険があったが、反発防止装置を使用していなかったため、木片が飛来した。 |
2 | 木片が飛来する危険に対して対策を講じていなかったこと この作業では、切り落とされた木片の飛来による危険が十分に予測されたが、防護用の衝立を使用していなかったこと、保護面、プロテクター等の保護具を着用させていなかったこと、テーブル傾斜丸のこ盤の正面の位置に立って作業をさせていたこと等、必要な防護対策を講じていなかった。 |
3 | 作業手順書の内容が不十分だったこと 木片が飛来する危険に対する対策が作業手順書に盛り込まれておらず、口頭で作業者に注意しているだけであった。 |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 木工機械の本質的安全化を図ること 傾斜切り加工作業の本質的安全化を図るため、切り落とされた木片を発生させない対策を講じることが重要である。 具体的には、NCルーターを使用して丸みをつける切削用回転刃物および25度の傾斜をつけるための切削用回転刃物を装着して加工を行うことにより、木片の発生と飛来をなくすことができる。 |
2 | 木片の飛来による危害防止措置を講ずること 切り落とされた木片の飛来による危害を防止する措置として、十分な強度を有する防護用衝立を使用させるとともに、身体前部を保護する十分な強度を有する保護面、プロテクター等の保護具を着用させる。 また、テーブル傾斜丸のこ盤の正面の位置での作業を禁止することも重要である。 |
3 | 作業手順書に必要な対策や措置を盛り込むこと 作業を安全に行うために必要な対策や措置を盛り込んだ作業手順書を作成して、関係作業者に周知徹底する。 |