工場屋根に換気扇取付け工事中、スレートを踏み抜き墜落
業種 | その他の建築工事業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 屋根、はり、もや、けた、合掌 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | その他の建築工事 | ||||
災害の種類 | 屋根、屋上から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | その他保護具を指定していない | |||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) | 保護具を使用していない |
No.101116
発生状況
この災害は、工場の屋根に換気扇を取り付ける工事中に発生したものである。工場の屋根は、中央部の高さ13mで軒先の高さ9mまでの傾斜があり、厚さ6mmの波型スレートで葺かれていた。 換気扇取付け位置は屋根の中央付近であったため、作業者が屋根上を移動するために、前日に、幅30cm、長さ4mと1.5mの歩み板20枚を屋根上に敷き通路を確保していた。 災害発生当日は、工事を請け負ったZ社の作業者A〜Cの3人が朝8時頃から屋根に登り作業していたが、3時間ほどで換気扇の取付け作業が終了したため、通路に使用していた歩み板を南側の軒先に集め、Bが屋根上で玉掛けを行い、Cが地上に降りてトラッククレーンの操作をして、全ての歩み板をトラックに回収した。このときAは換気扇の試運転状況を確認していた。 歩み板の撤去と換気扇の試運転が終了し、Aが地上に降りようと昇降用のはしごをかけていた工場東側へスレート屋根上を移動したところ、屋根のスレートを踏み抜き、12m下の床に墜落した。Aはすぐに病院に運ばれたが死亡した。 作業開始前に行われたミーティングでは、Z社の現場責任者Dから「スレート上は鉄骨の梁に固定されているフックの上を歩く」、「作業はあわてずに行う」等の注意があったが、歩み板の撤去方法についての指示はなかった。 また、現場では、屋根上の歩み板撤去後にスレートの踏抜きによる危険を回避できる安全な通路を確保していなかったほか、スレートを踏み抜いた際に作業者が床面に激突することを防止するために防網を工場内の屋根の下に張る、作業者に安全帯を使用させる等の墜落防止措置を講じていなかった。 さらに、Z社では、工事が短時間で終わることや以前にもスレート葺きの屋根上で同様の工事を行っていたことから、工事計画書を作成していなかった。 |
原因
この災害の原因としては次のことが考えられる。 | |
1 | 作業者が屋根上で作業しているにもかかわらず歩み板を撤去し、スレートの踏み抜きによる墜落災害を防止するための措置を講じていなかったこと 作業者が屋根上で作業しているにもかかわらず歩み板を撤去し、しかも工場内の屋根下に防網を張る、作業者に安全帯を使用させる等の、作業者がスレートを踏み抜いた場合に備えた墜落防止措置を講じていなかった。 |
2 | 安全な作業を行うための工事計画書を作成せず、作業者に具体的な作業手順を指示しなかったこと Z社では、工事の開始前にスレートの踏み抜き等による墜落災害を防止するための安全な作業方法を定めた工事計画書を作成しなかった。また、その日の作業開始前のミーティングにおいても、歩み板の撤去の方法等を指示しなかった。 |
対策
同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 歩み板の撤去後に作業者がスレート上を移動しなくても済むようにすること スレート上での工事終了後、歩み板を回収する位置と作業者が屋根から下りる位置を同一とし、作業者が歩み板を撤去した後の屋根を移動することがないようにする。また、踏み抜きのおそれがある場合は、歩み板のみならず、防網を屋根の下に張る、作業者に安全帯を使用させる等の措置を講じることが必要である。 |
2 | 安全な作業を行うための工事計画書を作成し、作業者に具体的な作業手順を指示すること 工事の開始前に安全な作業方法を定めた工事計画書を作成し、その日の作業開始前のミーティングにおいても歩み板の撤去の方法等、具体的な作業手順を作業者に指示する。 |