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労働災害事例

焼却炉でゴミを燃やしていたところ、作業服に引火し、死亡

焼却炉でゴミを燃やしていたところ、作業服に引火し、死亡
業種 その他の建設業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 炉、窯
災害の種類(事故の型) 高温・低温の物との接触
建設業のみ 工事の種類
災害の種類
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 設計不良
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 不意の危険に対する措置の不履行

No.101092

発生状況

 この災害は、寄宿舎前の駐車場敷地内において、管理人Aが焼却炉で寄宿舎のゴミを焼却していたところ、発生した火の粉がAの作業服に燃え移り、火傷により死亡したものである。
 災害発生当日、Aは、いつものように寄宿舎に寝泊りする作業者達を送り出したあと、寄宿舎内の清掃に取りかかった。約4時間後、Aは、清掃中に回収したゴミを焼却炉で燃やしはじめたところ、火の勢いが強くなり、舞い上がった火の粉がAの作業服に燃え移って火傷を負った。Aは病院に搬送されたが、その後死亡した。
 Aが、被災時に着用していた作業服の材質はポリエステル65%、綿35%のものであり、ほかにゴム手袋と布製の作業帽を着用していた。
 焼却炉は、ドラム缶の天板を取り外し、下部に通風孔を開けたものを使用していた。また、焼却炉で燃やしたゴミは、Aが各居室のゴミ箱から回収したもので、中身を確認しないまま大きいビニル袋に入れ、焼却炉に投入していた。
なお、Aは、ゴミの焼却に当たり、防火用水や消火器は用意していなかった。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  ドラム缶を改良して作った焼却炉が火の粉の飛散を防ぐことができる構造ではなかったこと
2  Aがゴミの中身を確認しないまま、焼却したこと
3  火気を扱う作業の際、Aが難燃性の作業服を着用していなかったこと
4  防火用水や消火器を用意していなかったこと

対策

 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  焼却炉は、火の粉が飛散しないような構造のものを使用すること
2  ゴミを焼却する際、中身を確認し、プラスチックなどの石油製品を取り除くこと
3  火気を扱う際には、難燃性の作業服を着用させること
4  防火用水や消火器等を焼却炉のそばに準備し、使用できる状況になっていることを確認してから作業を開始させること