職場のあんぜんサイト

  1. ホーム
  2. 労働災害事例
  3. 労働災害事例(検索結果詳細)

労働災害事例

空港で一時預かりしたペットボトルが破裂

空港で一時預かりしたペットボトルが破裂
業種 航空業
事業場規模 100〜299人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:3人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 物の置き場所の不適切
発生要因(人) 無意識行動
発生要因(管理) 不意の危険に対する措置の不履行

No.101049

発生状況

 この災害は、空港事務所にある拾得物等の保管場所で発生したものである。
 災害発生当日、空港の手荷物検査場において乗客の手荷物をチェックしていた検査担当職員Aが、乗客が機内に持ち込もうとしていた4本のペットボトルの中を調べるため、ボトルの蓋を外したときに、刺激臭があったので機内への持ち込みを禁止した。乗客に取り扱いを確認したところ、日帰りで戻ってくるので一時預かってほしいとの申し出があった。
 そこで、Aは、そのペットボトルを空港カウンターの後方に運んだ。それを受け取った空港職員は、一時預り扱い品として2本ずつ紙袋に入れて封をし、拾得物などの制限品置場に保管した。約4時間後、突然ペットボトルが破裂し、黄色い液体が飛散した。室内は異臭がしたほか、周囲で作業をしていた4名の衣服や肌に飛散した液体が付着していた。直ちに、空港事務所、消防署、警察署に連絡し、液体を浴びた4名については、水で洗浄後、救急車で病院に移送し診断を受けさせたが、特に異常はなかった。
 その後、空港職員が、酸の臭いが残っているので、室内を換気したいと警察官に申し出たが、鑑識係の到着まで待つように指示されたので、引き続き室内で作業していたところ、約1時間後に別のペットボトル1本が破裂した。このとき、室内にいた7名の空港職員のうち3名が喉の痛みを訴えたので、救急車で病院に移送し手当てを受けた。破裂したペットボトルの中身は、荷物を預けた乗客に確認したところ開発中の肥料であり、主な成分は硝酸、硫酸、マンガンであることが判明した。マンガンは強酸と激しく反応し、気体を発生させる混触危険性がある。
 Aは、異臭があり機内への持ち込みを拒否したペットボトルを保管するに当たって、成分を確認することなく他の持ち込み禁止品と同様、一時預り係に届けただけで、特別の注意、説明も行っていなかった。そのため、預り品を受領した職員も、特に疑いもなく紙袋に入れて封をしただけで他の預り品と同様の扱いをしたため、ボトルの破裂により内容物が飛散する結果となったものである。この空港では、機内持ち込みを制限した危険物等を一時保管する場合の内容物の確認手段、保管場所等について定めたマニュアルは整備されていなかった。
 また、空港では異常発生時の対応等について職員に周知されていなかったため、最初の破裂後も室内で作業を続けた職員が被災し、被害が大きくなった。

原因

 この災害の原因は、ペットボトル内でマンガンと酸が化学反応を起こしたことであるが、これを防止できなかった理由としては、次のようなことが考えられる。
1  中身を確認することなく、危険な物を一時預りをしたこと
 この空港では、機内持ち込みを制限した危険物等を一時保管する場合の内容物の確認手段、保管場所等について定めたマニュアルが整備されていなかった。そのため、Aが、異臭のしたペットボトルの中身を確認することなく、他の一時預り品と同じ取り扱いをした結果、時間の経過とともにペットボトルの内圧が上昇し、破裂した。
 なお、混食危険性がある物質を成分とする液体をペットボトルに入れて持ち歩いたことも原因の一つである。
2  異常発生時の措置が空港職員に周知されていなかったこと
 異常が発生したときの退避、被災者の救護等の措置について空港職員に周知されていなかった。そのため、ペットボトルが破裂した後も、引き続き同じ室内で作業を続け、被害が拡大した。

対策

同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  機内持ち込みを制限した危険物等を一時保管する場合のマニュアルを整備すること
 航空機内への持ち込みを制限された危険物等を一時保管する場合の内容物の確認手段、保管場所等について検討し、マニュアルを定めて関係職員に周知徹底する。
 なお、預り品の危険有害性については、乗客から詳しく情報を収集するとともに、直ちに判断が付かないもの、あるいは危険有害性に疑いのあるものについては、乗客に処分を求めるか、堅固な建物などに保管する。
2  異常時の措置について教育訓練等を実施すること
 化学物質の漏えい等異常発生時の連絡方法、応急処置の方法、避難方法等について検討してマニュアルを作成するとともに、空港内で働く関係者全員に周知させるとともに、定期的に教育訓練を実施する。
 また、管理者は、職場巡視を通じて教育訓練の効果を確認するようにする。