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労働災害事例

灯油バーナーで雑草を焼却中にズボンに引火

灯油バーナーで雑草を焼却中にズボンに引火
業種 その他
事業場規模 1〜4人
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の装置、設備
災害の種類(事故の型) 高温・低温の物との接触
建設業のみ 工事の種類 その他の建設工事
災害の種類 その他の爆発・火災等
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) その他保護具を指定していない
発生要因(人) 無意識行動
発生要因(管理) 不意の危険に対する措置の不履行

No.101041

発生状況

 この災害は、グランドおよびその周辺の雑草を灯油バーナーで焼却する作業中に発生したものである。
 被災者の所属するZ社は、ネット・フェンスの取り付け、グランドの整備等のスポーツ関連工事およびスポーツ用品の販売を行っているが、雑草の処理作業等については、作業の依頼があるときのみアルバイトを採用して実施していた。
 今回の依頼は、3週間の工期で請け負った、雑草の刈り取り、除草剤散布、刈り取った雑草の焼却およびグランドの整地という一連の作業であり、災害はこのうち、雑草の焼却作業で発生した。
 災害発生当日の午前8時に、現場代理人Aは、作業現場で2名のアルバイト作業者と合流し、それぞれが可搬式の灯油バーナー(灯油5Lが入るタンク付きのもので、重さ約4kg)を使用してグランド内に散在して積まれた雑草の焼却作業を開始した。
 その後、休憩を約10分とり、それぞれが18L容器から手動ポンプでバーナーのタンクに灯油を補給した。その際、Aは他の作業者に「補給中に灯油がズボンにかかって濡れてしまった」と言っていたが、そのまま作業を再開した。このとき3名は、それぞれ約30mずつ離れて作業を行っていた。作業再開後、約30分経ったときAの悲鳴が聞こえたので、他の作業者がAの方を見ると、Aが炎に包まれていた。Aは病院に運ばれたが死亡した。
 Z社では、灯油バーナーの使用手順を、[1]タンクに灯油を注入する、[2]タンクに付属しているポンプにより圧力を高める、[3]バーナー先端部をライター等により予熱し着火する、[4]バーナーの火が安定した後に燃料開閉レバーにより火の量を調節する、と定めていたが、灯油の補給時における注意事項、灯油が作業服にかかったときの措置、作業服の特定等安全上必要な事項については定めていなかった。また、現場には、消火器は用意されていなかった。
 なお、Z社では、Aや他の作業者に対して安全衛生教育を実施していなかった。

原因

 この災害の原因としては、次のことが考えられる。
1  作業服に灯油がかかったまま、焼却作業を行ったこと
 休憩後の灯油の補給中に、Aはズボンに灯油がかかったが、そのまま雑草の焼却作業を再開したため、燃え上がった雑草の火がズボンに染みた灯油に引火し、そこから全身が炎に包まれた。また、作業服が燃えやすい材質であったことも引火の一因となった。
2  安全な作業の手順を定めておらず、安全衛生教育も実施していなかったこと
 Z社では、灯油バーナーの使用手順を定めていたが、灯油の補給時における注意事項、灯油が作業服にかかったときの措置等については、定めておらず、安全衛生教育も実施していなかった。
3  現場に火災等に備えた消火器を配置していなかったこと
4  適切な作業服(難燃性の材質でできたもの)を着用していなかったこと

対策

 同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  作業手順書を作成し、これをもとに作業者に安全衛生教育を実施すること
 刈り取った雑草の焼却作業は、火気を取り扱うものであることから、次のような事項についてあらかじめ検討し、安全な作業のポイントを盛り込んだ作業手順書を整備し、その内容を作業者に教育しておく。
 [1] 安全な作業の順序
 [2] バーナーへの灯油補給時の取り扱い
 [3] 消火器の取り扱い
 [4] 適切な作業服(難燃性の材質でできたもの)の着用
2  消火器を設置すること
 火を扱う現場には、火災等に備えて消火器を設置する必要がある。
3  適切な作業服を着用すること
 火を扱う際には難燃性の材質でできた作業服を着用する。