木造倉庫の解体作業中、梁が落下して作業者が転倒し死亡
業種 | 木造家屋建築工事業 | |||||
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事業場規模 | 1〜4人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 木材、竹材 | |||||
災害の種類(事故の型) | 飛来、落下 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 木造家屋建築工事 | ||||
災害の種類 | 丸太、角材、パネル等の取り付け後のものが飛来・落下 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 不適当な工具、用具の使用 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 工具、用具、材料、くず等を不安全な場所に置く |
No.101035
発生状況
この災害は、木造倉庫の解体作業中、丸太梁が急に落下し、作業者が抱えていた金属パイプに当たって、作業者が転倒したものである。 災害発生当日は、作業者AとBの2名で木造平屋建て資材倉庫の解体作業を行っていた。解体する倉庫は、隣接する倉庫と梁の一部が連結していたので、その連結を外すため、チェーンソーで梁を切断する必要があった。チェーンソーによる梁の切断は、具体的な作業方法が決められておらず、現場にいたAとBの話し合いで、まず梁を完全に切断せずに切り込みを入れた後、ロープで縛って引き倒すこととした。また、作業の分担は、Bが踏み面のない「ウマ」を脚立の代わりとしてこれに上りチェーンソーで梁を切断し、Aが地上で切断の補助をすることにした。 Bが梁に切り込みを入れた後、補助をしていたAが、転がっていた金属パイプを抱え、これで梁を下から突いて落とそうとしたとき、突然、梁が落下してAが抱えていた金属パイプに当たり、Aは転倒して被災した。 災害が発生した倉庫の解体工事については、工事計画や作業手順書が作成されないまま、作業が開始された。現場には、現場責任者は派遣されず、作業者同士が話し合いながら作業を進めていた。そのため、各作業者がばらばらの行動をとることも多かった。 また、作業者が所属する会社では、社員に対する安全衛生教育は実施されていなかった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 倉庫の解体工事について、安全な工事計画や作業手順書が定められていなかったこと これらが定められていなかったため、現場で作業者同士が話し合って作業方法を決めていたが、役割分担や安全な作業方法について十分に検討されずに作業が行われていた。 |
2 | 現場責任者が派遣されていなかったこと 現場に責任者がいなかったため、作業者の行動が統一されていなかった。また、作業者の不安全な行動が放置されていた。 |
3 | 作業者に対する安全衛生教育が実施されていなかったこと 作業者に危険に対する意識が欠落しており、丸太という重量物を人力で落下させて解体する、ウマにまたがってチェーンソーで梁を切断する、切り込みの入った梁を下から金属パイプで突く等の危険な方法で作業が行われた。 |
対策
同種災害防止のためには、次のような対策が必要である。 | |
1 | 重量物の解体工事については、安全な工事計画や作業手順書を定めること 安全な工事計画とともに、解体工事の個々の作業について安全対策を十分に検討して、作業方法を決定し、作業手順書を整備する。また、作業者に、工事計画、作業手順等を周知させた上で、作業を開始させることが必要である。 |
2 | 現場責任者を選任し、必要な安全管理を行わせること 工事現場ごとに選任した現場責任者に、現場で作業者に対する適切な作業指示を行わせるとともに、各作業者がバラバラに行動することのないよう、適切な安全管理等を行わせることが重要である。 |
3 | 作業者に対して安全衛生教育を繰り返し実施すること 日頃から、作業者に対し、繰り返し安全衛生教育を実施し、安全衛生意識の向上を図る。 |