軽トラックの荷台上で、建築廃材をコンテナに投げ込んでいたところ転倒し死亡
業種 | その他の建築工事業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の材料 | |||||
災害の種類(事故の型) | 転倒 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | その他の建築工事 | ||||
災害の種類 | その他の墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 物の積み方、置き方の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 省略行為 | |||||
発生要因(管理) | 確認なしに崩れやすい物に乗り又は触れる |
No.101033
発生状況
本災害は、ビル新築工事現場で、建築廃材の収集及び後片づけ作業中に発生した。 災害発生当日は、工事現場内の廃材の収集と現場の後片付け作業が元請から一次下請のZ社に依頼され、Z社の作業者Aと二次下請会社の作業者Bが、この作業を行うことになった。AとBは工事現場内の各所にある廃材を軽トラックで回収した後、集積場所まで移動した。AとBは、軽トラックの荷台に積載した廃材の上に乗って、軽トラック後方に置かれたコンテナパレットに廃材を投げ込み始めた。その作業中、Aが軽トラックの荷台の上で転倒し、被災したものである。 Aは、定められた服装を着用していたが、元請から着用するよう指示されていた保護帽は着用していなかった。また、Aの安全靴の靴底は磨り減っていて、溝が浅くなっていた。 なお、災害が起きた建築廃材の収集及び後片づけ作業は臨時に行われたもので、作業手順は定められていなかった。 |
原因
この災害の原因として、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 建築廃材の収集及び後片づけ作業の作業手順書が整備されていなかったこと 作業者が上に乗っていた廃材は、不安定で荷崩れする可能性があり、その上で作業をするのは危険な状態であったにもかかわらず、作業手順が定められていなかった。 |
2 | 作業者の安全靴の底が擦り減っていて、すべり易い状況であったこと |
3 | 作業者が保護帽を着用していなかったこと 工事現場の構内では、保護帽を着用することになっていたが、作業者に徹底されていなかった。 |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 安全な作業手順書を定め、これを各作業者に徹底して手順どおりの作業を行わせること 特に、不安定な物には、乗らないような作業手順とし、作業者にも足元が不安定な場所での作業を行わせないようにする。また、作業手順書は、作業者に繰り返し教育しておくことも重要である。 |
2 | 安全靴は定期的に点検し、靴底に溝があり、滑りにくいものを着用させること 作業者の安全靴は、定期的に点検し、靴底の溝が浅くなっているものは交換するようにすることが必要である。 |
3 | 保護帽の着用について作業者に徹底すること 現場の作業者には、保護帽の着用など、作業に適した服装についての繰り返し教育をするとともに、作業中は作業者が保護帽を確実に使用していることを現場の責任者が確認することが必要である。 |