曲がった敷鉄板をアース・オーガーで踏みつけて直そうとしたところ、アース・オーガー本体が転倒
業種 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 基礎工事用機械 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事 | ||||
災害の種類 | くい打機等基礎工事用機械から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 防護・安全装置がない | |||||
発生要因(人) | 錯誤など | |||||
発生要因(管理) | 機械、装置等を指定外の方法で使う |
No.101032
発生状況
本災害はビル建築工事現場において、曲がった敷鉄板上をアース・オーガーが前進したとき、同時にブームが起き上がり、アース・オーガー本体が後方に転倒したものである。 アース・オーガーで工事現場構内を移動中、敷鉄板の角をクローラで踏み、敷鉄板がめくれあがってしまった。このため運転者は、角が曲がった敷鉄板をアース・オーガーのクローラで踏みつけて直そうと、運転席のドアを開放し、身を乗り出して前後の位置を確認しながら、前進しようとした。走行レバーを操作した際、並んでいた主巻きレバーに触れたため、主巻きワイヤーがケリーバを巻き上げ、フロントフレームが押し上げられてブームが起き上がり、アース・オーガー本体が後方に転倒した。このとき、運転者は運転席から地上へ投げ出され、負傷した。 アース・オーガーは、元々あった過巻防止装置が取り外されたまま使用されていた。また、ブームの起こし過ぎによる後方への転倒を防止するための安全装置としてブーム起伏停止装置が取り付けられ、ブームが起こしすぎの限界角度に達したとき警報を発し、自動的にブームが停止するようになっていたが、災害発生時には故障していた。この故障は、毎日行われる作業開始前の点検でも見つかっていなかった。 なお、災害が発生したビル建築工事では、工事計画書および作業手順書は整備されていたが、敷鉄板が曲がってしまったとき等の異常発生時の措置や作業方法については盛り込まれておらず、安全衛生教育も不十分であった。 |
原因
この災害の原因として、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 過巻防止装置が取り外され、かつ、ブーム起伏停止装置が故障していたこと 過巻防止装置が取り外され、かつ、ブーム起伏停止装置が故障していたため、ブームが起伏角度限界を超えてしまった。そのため、アース・オーガー本体が転倒した。 |
2 | アース・オーガーの運転者が無理な運転姿勢をとり、主巻きレバーに誤って触れてしまったこと 運転者は、走行レバーを操作した際、無理な運転姿勢をとったため並んでいた主巻きレバーに誤って触れてしまい、このためブームが後方に傾き、本体が転倒した。 |
3 | アース・オーガーを本来の目的外で使用したこと 敷鉄板の曲がりを直す作業をどのように行うのか、事前の想定がなく、作業手順書でも触れられていなかったため、安易にアース・オーガーを目的外で使用した。 |
対策
同種災害を防止するためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 作業開始前に、ブーム起伏停止装置などの安全装置等の機能について点検を行い異常があれば修理等を行うこと 作業開始前の点検は、ブーム起伏停止装置などの安全装置を作動させて、確実に作動することを確認する。点検で異常が見つかった場合は、直ちに修理を行うか代替機材を使用する。 |
2 | 作業計画書や安全作業手順書を作成し、それに基づき安全衛生教育を徹底すること 敷鉄板の曲がりを直すような作業をアース・オーガーなどでは安易に行わず、安全な方法で行うこと。また、そのような作業をあらかじめ想定し、必要な対策を盛り込んだ作業手順書を整備し、関係者全員に教育し周知徹底させることが重要である。 |
3 | 運転者の安全運転に関する能力の向上に努めること 不安全な操作による建設機械災害を防止するために、危険予知活動への積極的な取り組みや実効ある教育訓練の実施に努める。特に、アース・オーガー等建設機械の運転者に対しては、運転操作に対する慣れなどから、危険に対する感覚が希薄になることがあるので、定期的に安全教育を実施し、誤操作の防止など安全運転について教育を繰り返すことも重要である。 |