地面が陥没してアウトリガーが沈み、ホイールクレーンが転倒
業種 | 橋梁建設工事業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 移動式クレーン | |||||
災害の種類(事故の型) | 転倒 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 橋梁建設工事 | ||||
災害の種類 | 移動式クレーン | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 物の積み方、置き方の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 省略行為 | |||||
発生要因(管理) | その他 |
No.101024
発生状況
この災害は、橋梁架設工事現場において、主桁のつり上げ作業中にホイールクレーンのアウトリガーが沈み、ホイールクレーンが転倒したものである。 災害発生当日、現場には前日からホイールクレーン(つり上げ荷重45t)が配置されていた。そこに、橋梁の主桁(重量約8t)を積んだトレーラが到着し、ホイールクレーンのそばに停車した。主桁を橋梁に設置するため、まず、ホイールクレーンで主桁をつり上げ、トレーラとホイールクレーンの間にいったん仮置きし、作業者がつり足場用の部材を主桁に取り付ける作業を行った。この後、主桁を橋梁に設置するためのつり上げ作業を行った。 ホイールクレーンで主桁を旋回しながら地上約12mにつり上げた時、ホイールクレーンの左後方のアウトリガーが急に沈下し、ホイールクレーンの機体が左側方に転倒した。このとき、つり荷が落下し、ホイールクレーンのジブは近くの架空電線を切断したが、死傷者はいなかった。 災害発生時、ホイールクレーンのアウトリガーのうち、左後方以外の3個所は、舗装道路上に位置していたが、左後方の1個所は盛り土された地面上に位置していた。この左後方のアウトリガーは、縦1.2m×横1.2m×厚さ30mmの鉄板を3枚重ねた上に設置されていた。4本のアウトリガーはいずれも最大張り出しになっており、災害発生時の条件では、つり荷の重量もホイールクレーンの定格荷重より軽い状態であった。 なお、現場で移動式クレーン作業を行うに当たり、盛り土された地面の支持力の調査は行われていなかった。 |
原因
この災害の原因として、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 軟弱な地面にアウトリガーを設置して、移動式クレーン作業を行ったこと 現場の舗装面ではなく、軟弱な地面にアウトリガーの1本を設置したため、この地面が沈んでホイールクレーンが転倒した。 |
2 | 軟弱な地面の支持力を事前に調査しなかったこと 現場の状況から、軟弱な地面にアウトリガーを設置しなければならなくなることが予想されたにもかかわらず、地面の支持力の調査をしていなかった。そのため、載荷荷重に耐えられるような地面の養生をすることができなかった。 |
3 | 安全な移動式クレーン作業の方法等について、関係労働者に十分教育が行われていなかったこと |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 移動式クレーンのアウトリガーは、なるべく舗装面等の強固な地面に設置すること 移動式クレーンのアウトリガーを、舗装面等の強固な地面に設置できるような工事計画とすることが重要である。 |
2 | アウトリガーを設置する地面の支持力を調査した上で、養生方法を検討すること 事前に地盤の支持力を調査し、地盤支持力とアウトリガー載荷荷重により設置地面の養生方法を検討する。なお、盛り土された個所は、表層の地面と下層が違っていることが多く、目視や踏査による調査では不十分である。その上で、地盤の養生方法を検討することが必要である。 |
3 | 軟弱な地盤がある場合の安全な移動式クレーン作業の方法等について、関係労働者に十分教育を行うこと |