マンション新築工事において、クライミング式ジブクレーンのジブが外部枠組足場と接触し、折損
業種 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | |||||
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事業場規模 | 1〜4人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | クレーン | |||||
災害の種類(事故の型) | 激突 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事 | ||||
災害の種類 | 天井走行クレーン、その他のクレーン | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 機械、装置、用具、什器の配置の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 錯誤など | |||||
発生要因(管理) | その他 |
No.101022
発生状況
本災害は、マンション新築工事において、クライミング式ジブクレーン(つり上げ荷重1.09t)を使用して、トレーラーから鉄筋を荷下ろしする作業中、クレーンのジブが外部枠組足場と接触し、その部分からジブが折れ曲がったものである。なお、本災害では被災者はいなかった。 当日は、朝から行われたコンクリート打設作業の終了後に、トレーラーから鉄筋を下ろす計画になっていたが、コンクリート打設作業が終了したのは予定より大幅に遅れ日没の30分前であり、かなり暗くなっている中、照明もないままクレーンによる荷下ろし作業が開始された。 クレーンの運転操作は無線操作式であり、クレーンの運転士は、まず、トレーラーの荷台で鉄筋を玉掛けし、荷台から約2mつり上げ、左旋回により地上約3mの高さで移動させ、伏操作により所定の位置でいったん地上に下ろした。そして、次に下ろす荷の配置を考え、つり荷を少し南側に移動させようと、クレーン運転士は荷を介錯しながら、約0.5m巻き上げ操作を行った後、ジブの起操作を行った。しかし、つり荷は上昇せず、逆に下降したため、上方のクレーンを見るとジブが外部枠組足場の最上部の脚柱ジョイントと接触し、下方に曲がっていた。このとき、ジブの傾斜角度は、許容範囲内であった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 事故発生時、クレーンのジブ傾斜角度は許容範囲内であったにもかかわらず、外部枠組足場と接触したこと 本工事では、低層階部分終了後、高層階部分の施工にあたり外部枠組足場を高くし、それに伴いジブクレーンのマストを延伸してジブ起伏支点部の位置を高くする計画であった。しかし、実際には、マストの延伸が不十分で、ジブ傾斜角度の許容範囲内でも外部枠組足場に接触してしまう高さであった。 |
2 | 照明がなく、暗い中で無線操作式のクレーンを運転したこと 日没30分前の暗い中、照明もなく、地上からは上方のクレーンジブの位置が確認しにくいにもかかわらず、地上で無線操作によりクレーンを運転した。 |
対策
同種災害を防止するためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | クレーンのジブの傾斜角度を下限最大にしても外部枠組足場に接触しないようにすること ジブクレーンのジブが外部枠組足場に接触しないようにするためには、ジブ起伏支点部の位置を高くする、または、外部枠組足場の高さを低くするような計画を立てる必要がある。さらに、現場ではジブクレーンと外部枠組足場を設置した後、随時、計画どおりジブ傾斜角度が許容範囲内であれば外部枠組足場と接触しないことを確認することも必要である。 |
2 | 暗がりの中ではクレーンの運転を行わないこと 暗がりの中でクレーンを運転することが予想される場合には、あらかじめ照明を用意する。また、作業工程の都合により、前の作業が終了後にクレーン作業を行う場合には、前の作業が遅れることを想定し、その対応も考慮した工事計画とする必要がある。 |