ゴンドラに乗って窓のクリーニング作業中、ワイヤロープがゴンドラから外れて墜落
業種 | ビルメンテナンス業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | ゴンドラ | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 設計不良 | |||||
発生要因(人) | 忘却 | |||||
発生要因(管理) | 機械装置を不安定な状態にして放置する |
No.101017
発生状況
この災害は、ビルメンテナンス業者の下請作業者2名がビルのガラスクリーニング作業をゴンドラ上で行っていた際に、ワイヤロープがゴンドラから外れたため、ゴンドラとともに約7mの高さから、墜落し休業災害を負ったものである。 災害発生当日、下請業者の職長は、当日の作業が「11階から14階までのガラスクリーニング作業であること」そして「11階から下へはゴンドラが降下できないこと」を作業者2名に伝え、作業が開始された。 作業者2名は、予定された作業を終えたが、できるだけ作業を終わらせてしまおうと考え、11階から更に下へ降下して、ガラスクリーニングを継続した。そして7階部分の作業を終えて、更に降下しようとしたとき、ゴンドラからワイヤロープが外れ、ゴンドラとともに墜落し、4階部分に設けられた足場に激突したものである。 このゴンドラのワイヤロープは、地上に着床できない短い長さのものが使用されていた。ワイヤロープの端部は、ゴンドラ設置業者が、すぐに長いワイヤロープに交換することを想定し、十分に緊結していなかった。 なお、ゴンドラが11階よりも下降できない理由が、ワイヤロープの長さ不足にあることは、下請業者の職長以下、作業者が誰も知らなかった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | ゴントラで使用していたワイヤロープが、十分な長さのものではなかったこと |
2 | ゴンドラ設置業者は、ワイヤロープの長さ不足に気付いていたが、別の長さのものへ交換することを想定し、既存のワイヤロープの端部を、ボルト接合等で十分に緊結しなかったこと |
3 | 作業者が職長の指示を忘れて、または軽視して作業を継続し、ゴンドラを指定階よりも降下させたこと |
4 | ワイヤロープの長さ不足や、その緊結状況について、下請業者への情報伝達がなされていない等、情報伝達・安全管理体制が不十分であったこと |
対策
同種災害防止のためには、次のような対策が必要である。 | |
1 | 地上への着床が可能な長さのワイヤロープを用いるなど、安全に使用できるゴンドラを設置し使用すること |
2 | ワイヤロープ端部の緊結部分は、ボルト等で十分な緊結を行い、それが外れることのないようにすること |
3 | 作業者は、職長の指示を注意深く聞き、その指示に忠実に従って、作業を行うこと、特に予定外の作業を行うことは、事故につながりやすいため、必ず職長に相談し、指示に従うこと |
4 | 複数の企業が共同作業を進める場合は、情報伝達事項、伝達方法等について、あらかじめルールを定める等、元請が中心となり安全管理体制を整えること |