コンクリート打設中、フラットデッキが抜け作業員5名が3階から墜落
業種 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | |||||
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事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 建築物、構築物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 崩壊、倒壊 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事 | ||||
災害の種類 | その他の墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 組立、工作の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 省略行為 | |||||
発生要因(管理) | その他の不安全な行動 |
No.101014
発生状況
本災害は、3階エレベーターピット床のコンクリート打設中にフラットデッキが抜け、作業者の5名が2階床フラットデッキに墜落、さらに2階のフラットデッキも抜けて1階床に墜落したものである。 災害発生現場は、地上20階、地下2階のビル新築工事現場であった。災害発生当日はエスカレーターピット床スラブの打設作業を行っており、3階床から1.2m下がった位置で鉄骨梁の下フランジにフラットデッキをかけわたしてあった。11:50頃、圧送工1名、土間工4名がエスカレーターピットに下りてコンクリートの打設作業を開始した。12:20頃、土間工4名がコンクリートの均し作業を行っていたところ、フラットデッキの片側が外れて、打設したばかりのコンクリート及び配筋とともに崩壊し、ピット内で作業していた土間工4名と圧送工1名が崩れたコンクリートとともに転落し、フラットデッキ下部に張られていた落下防止ネットを突き破り、さらに2階デッキプレートも突き破り、約11.35m下の養生敷き鉄板上に墜落した。 崩壊したフラットデッキのスパンは3.55mであったが、今回の条件での許容スパンは2.6mまでであり、スパン3.0mを超える場合、安全性を考慮して中間支保工を設けることが必要とされている。崩壊個所にもフラットデッキ割付図には中間支保工を設けることが表示されていたが、これが行われていなかった。 これは、当初の施行計画では、2階スラブコンクリート打設後に3階スラブコンクリートを打設する予定であったが、設計仕様の変更により2階エスカレーターピット下部のスラブコンクリートも打設されずフラットデッキのままであり、中間支保工による補強ができなくなったためであった。 また、フラットデッキの強度が不足しており、中間支保工による補強が必要であることについて、現場関係者は認識していなかった。 |
原因
この災害の原因として、次のようなことが考えられる。 | |
1 | フラットデッキに中間支保工を設置していなかったこと 設計仕様の変更に伴い施行計画が変更になり、当初の計画にあった中間支保工による補強ができなくなった。中間支保工がない場合での強度計算では曲げモーメント、たわみともに基準を満足せず、フラットデッキがコンクリートの重さに耐えられなかった。 |
2 | 中間支保工の必要性が認識されていなかったこと フラットデッキの設置には、強度上、中間支保工が必要不可欠であることが関係者に認識されていなかったため、危険な施行計画変更が行われた。 |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | 施工計画が変更となる場合には、関連個所への影響を確認すること 施工計画が変更になる場合には、関連個所への影響を確認し、必要な措置をとることが重要である。なお、工事の安全が確保できない変更は行わないこと。 |
2 | 強度上必要不可欠な部材の設置については関係者に周知徹底すること フラットデッキには強度上中間支保工が必要不可欠であった。そのような重要な情報については関係者に周知徹底し、打ち合わせを行い、設置を確認した上で作業を行うこと。 |