うま足場を利用した天井の塗装作業中、過荷重のため足場板が折れ、足場から作業者4名が墜落した
業種 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業 | |||||
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事業場規模 | 1〜4人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 足場 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事 | ||||
災害の種類 | 足場から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 設計不良 | |||||
発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
発生要因(管理) | 荷等の積み過ぎ |
No.100970
発生状況
この災害は、うま足場を利用した天井の塗装工事中、作業者4名が同時に足場に乗ったため、過荷重で足場板が折れ、足場から墜落したものである。
災害当日は、建物の外壁塗装工事を予定していたため、建物の外側にうま足場と養生シートを設置した。しかし作業開始直後に雨が降り始め、「塗料が雨に濡れると艶が抜けるので問題である」という理由で作業を中止し、当初予定していなかった天井面の塗装工事を行うことにした。 新たに設置した足場は、うまに足場板を1枚渡したもの2つを並行に2組並べ、それに直交する足場板を3枚乗せて井形に組んだものであった。 災害発生当時、この3枚の足場板に作業者4名が乗って塗装を行っていたが、全員が一方のうまに片寄って乗ったとき、土台となる足場板が折れ、墜落したものである。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | 強度不足の足場を用いて作業を行っていたこと。 |
2 | 足場の最大積載荷重を検討したことがなく、適当にこれを決めていたこと。 |
3 | 被災者らは安全帯を着用していたが、安全帯のフックをかける設備がなかったこと。 |
4 | 予定外の作業のため、安全に対する配慮が欠けていたこと。 |
5 | 工事の予定変更について、責任者に連絡をとっておらず、勝手に作業変更を行ったこと。 |
6 | 安全衛生教育を全く実施していなかったこと。 |
7 | うま足場には、集中荷重が作用する構造となっていたが、この点に対する作業者の危険感覚が欠如していたこと。 |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | うま足場を利用する場合には、当該足場の最大積載荷重を定め、これを超えて使用しないようにすること。 |
2 | うま足場に使用する足場板は、端部を固定して使用すること。 |
3 | 墜落防止のための設備を設置し、保護帽や安全帯の確実な使用を周知・徹底すること。 |
4 | 元請は、下請に対して安全な作業方法あるいは安全衛生に関する知識を付与し、現場責任者の適切な指導・管理のもとで作業を行わせること。 |
5 | 作業変更があった場合は、責任者にその旨を連絡し、指示を仰ぐこと。 |
6 | 作業者に対しては、安全衛生教育を実施し、適切な作業方法や安全意識の向上に努めること。危険予知活動も災害防止のため、効果的である。 |