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感染性廃棄物の処理施設で自動搬送装置の搬器にはさまれ死亡

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発生状況
 この災害は、感染性廃棄物の処理施設で発生したものである。
 この工場では一般産業廃棄物と医療廃棄物の焼却処理を行っている。医療廃棄物については搬入されてきた廃棄物をローラーコンベアとエレベーターが一体となった自動搬送装置で運搬して焼却炉に投入するシステムとなっており、その工程は次のようになっている。
(1)  集積した医療廃棄物の入った容器をコンベアに載せる。
(2)  コンベアに載せるとセンサーが感知し、容器1個分コンベアが移動する。
(3)  移動して空いたところにもう1個の容器を載せ、この要領でコンベアの範囲の全てに容器を載せる。
(4)  コンベアは上、中、下段で構成されており、(1)〜(3)の要領で全てのコンベアに容器が載ったところで、起動ボタンを押すとコンベアが動いてセンサーが感知し、1個の容器をエレベーターの搬器に載せる。
(5)  容器がキチンと搬器に載るとエレベーターの搬器が上昇し、焼却炉まで運んで廃棄物を投入する。この工程でローラーコンベアに載せられた全ての容器から廃棄物が投入される。
 当日の午後1時50分頃、班長は、上、中、下段のコンベアの全てに容器が載ったことを確認したので、被災者に廃棄物供給装置の運転を指示した。指示を受けた被災者は4階にある中央操作室を出て午後2時に1階制御盤の起動ボタンを押した。
 その12秒後に、異常を知らせる警報音が出たので、被災者は1階の制御盤のところで警報音を止め、異常の状況確認のためエレベーターの方に行った。
 しかし、廃棄物供給装置が再稼動しないので、班長は携帯電話で被災者に連絡を試みたが応答がないため、自分も中央操作室を出て1階へ確認に行ったところ、被災者がエレベーター横で意識を失って倒れていた。
  その後、被災者は、救急車で病院に移送されたが、胸部・右心房損傷のため間もなく死亡した。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 搬器へ容器を移動するセンサーが故障していたこと
 目撃者はいないが、1階に降りていた搬器の中に1個、搬器の下に1個の容器があったことから、搬器に1個ずつ積まれるはずの容器がセンサーの故障で2個積まれたものと見られる。その状態でエレベーターの起動ボタンが押されたので搬器が上昇を始めたが、1個が昇降路からはみ出ていたのでエレベーターが停止し警報音を発したものと考えられる。
 点検に来てこれを見た被災者が、搬器に乗り、はみ出した容器1個を取り出そうとして昇降路の中に落とし、それを拾うため昇降路内に立入った。一方エレベーターは異物除去を感知し、自動的に動いて降下したため被災者は搬器と昇降路の横バーとの間に胸部をはさまれたと推定される。
 なお、センサーの誤動作は、3日前に4階で散水したときに誤ってエレベーターに水がかかり、昇降路を伝わってセンサーに達したためと確認された。
 また、班長が発見したときには、被災者は昇降路の外に倒れていたが、これは自力で昇降路の外まで這い出したものと推定される。
2 搬器への立ち入り禁止が行われていなかったこと
 この装置は、自動運転システムで、当初は1階の昇降路のところには立ち入りを禁止するための遮蔽板が設置されていたが、かなり以前から取り外されていた。
3 機械設備の故障時の取り扱い要領が定められていなかったこと
 この工場では、システムで警報音が出たときの取り扱い要領、安全な修復作業の要領等について、明確な定めと関係者に対する安全教育が実施されていなかった。
4 点検補修が不十分であったこと
 この工場では定期的な点検整備の要領が明確にされておらず、散水作業によってセンサーにまで水が達しているのに、運転開始前にセンサーの状況等を確認していなかった。
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 自動搬送システムを再検討すること
 自動搬送システムで異物の介在等があった場合の修復の作業について、電源の遮断、遮断による搬器の自重降下の防止措置等を含めて再検討する。
 また、各種のセンサーについては、使用する場所に適した構造とくに耐水性、耐湿性などについても検討し適切なものに交換する。
2 エレベーターの昇降路への立ち入りを禁止すること
 エレベーターについては、昇降路内あるいは搬器への立ち入り禁止の表示を行うとともに、堅固な扉などを設けインターロック(扉を開けると搬器が確実に停止する装置)構造のものとする。
3 定期的な点検修理を行うこと
 自動搬送装置は、精密な機械設備であるので、専門家による定期あるいは随時の点検とその結果に基づく調整・補修について、機械設備メーカー、点検業者等と緊密な連携を行う。
4 安全衛生教育等を実施すること
 自動搬送装置等の機械設備を使用する作業に従事する者に対しては、機械設備、自動システムに潜む危険有害性とその対策、異物が挟まった場合等の修復のためのいわゆる非定常作業時における安全衛生対策等について繰り返しの教育を実施する。
 また、非定常作業については、あらかじめ作業に伴う危険有害性について検討し作業マニュアルを作成して関係作業者にその徹底を行う。
 さらに、職場の管理者は、作業開始前に自動搬送装置等の機能を確認のうえ作業を命じる。修復作業については十分な知識経験を有する者を指名して行わせ、また、自らもその作業に立ち会う等の措置を行う。
業種 産業廃棄物処理業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の動力運搬機
災害の種類(事故の型) はさまれ、巻き込まれ
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:−
不休者数:− 行方不明者数:−
発生要因(物) 故障未修理
発生要因(人) 無意識行動
発生要因(管理) 安全装置をはずす、無効にする
NO.100905
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