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下刈り作業中、熱中症になる

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発生状況
 この災害は、造林のため山に入った森林組合の作業員が、下草刈り作業を行っていて熱中症に被災したものである。
 この災害が発生した森林組合は、本所のもとに3支部があり林業の事業を営んでいる。今回は、公団出張所からの委託により下草刈りの作業を請け負った。被災者はX支部に所属しており、この支部には、作業員63人、事務員5人がいる。作業員は班に分かれ、一つの班が3〜5人であり、班の数は18、現場作業は班長の管理の下で行っている。班長の管理は支所長が行い、作業内容、作業場所の指示を行う。
 災害発生当日、被災者、班長を含む作業員4人は午前8時前に公団所有の作業現場に集合した。被災者は下草刈り作業が初めてであったため被災者が段に沿って先を刈り、その斜め後ろを班長が刈りながら前に進んだ。他の2人は1組になって、離れた場所で同じ作業を行った。
 作業開始から1時間経過した午前9時に日陰で10分の休憩をとった。その後、午前10時と11時に約10分の休憩をとり、午前11時30分頃午前の作業を終えた。
 午後1時に、作業を再開し、午後2時頃に班長が被災者の不調に気付き救急車により病院に搬送したが熱中症により死亡した。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1  災害発生現場では、天候が晴であったこと、炎天下であったことなどから、作業は高温多湿の作業環境で行われていたこと。
 災害が発生した日のその地域の気象条件を、測候所の記録から見ると、午後2時が33.0度、湿度51%であり、午後3時が34.0度、湿度49%である。風速はそれぞれ2.8m/秒、2.8m/秒である。
2  作業者の服装は、長袖、長ズボンの夏服に、ヘルメットとスパイク付き地下足袋を着用していたこと。
3  作業中の給水が不十分であったこと。
 被災者は背中のリュックにお茶の入った水筒を持参しており、昼の休憩時には給水しているのを同僚作業者が見ている。
4  作業に身体が慣れていなかったこと。
 被災者は刈払機の取扱教育を6月に受けていたが、災害当日が刈払機を用いて作業を行う初日であった。
5  同年5月に、森林組合に就職しているが、雇い入れ時の健康診断は受けていないこと。
 直近の健康診断は、前々年の春であるが、特に異常はなかった。また、家族も被災者の健康に異常は感じていなかった。
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1  山の斜面に沿って移動しながら、刈払機で下草を刈る作業であり、作業場所を日陰にすることは困難なことから、作業時間などの作業管理を徹底すること。
2  休憩は、1時間の作業につき10分となっているが、現場の温度、湿度に基づき、作業時間、休憩の取り方に弾力的な基準を設けること。
 具体的には、夏場は1作業時間を短縮し、短い休憩を多くとるなどの状況に合わせた対応が必要である。急に夏日になったときのも熱中症の発症が高いので、配慮が必要である。また、作業に不慣れな者への配慮も望まれる。
3  水分の補給については、作業者に熱中症の防止にスポーツドリンクなどの摂取が有効であることの知識を与えること。
4  作業管理者および作業者に対し、次のような事項に関する労働衛生教育を行うこと
(1)熱中症の症状
(2)熱中症の予防方法
(3)緊急時の救急措置
(4)熱中症の事例
5  作業者の健康管理の基礎となる健康診断を実施すること。
業種 林業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 高温・低温環境
災害の種類(事故の型) 高温・低温の物との接触
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 自然の危険
発生要因(人) その他の生理的原因
発生要因(管理) 不安全な行動のないもの
NO.100846
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