LPガス配管及びガス機器新設工事でガス配管内のエアー抜き作業中に爆発
業種 | 建築設備工事業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 可燃性のガス | |||||
災害の種類(事故の型) | 爆発 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 建築設備工事 | ||||
災害の種類 | ガス等の爆発 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.100710
発生状況
この災害は、マンション改修工事において、ガス機器の燃焼点検作業中に発生したものである。改修工事は、各室の改修、各室へのガス器具の取り付けおよびガスの配管工事を行うものであった。
災害が発生した日、ガス器具の設置およびガス配管工事を請け負った下請の作業員は、各室に設置したガス器具の燃焼点検の作業を始めた。
燃焼点検作業は、設置した配管内のエアーを抜いてガス器具が正常に燃焼するようにするために行うものであり、先ず、屋外に設置されているLPガス容器のバルブを開き、4階の廊下の壁に設けられているチャンバー内にあるガスメーターの入口側バルブを開いて、ガスメーターのガス入口と出口に接続されているユニオンをスパナとレンチを用いて緩め、20秒間ほど配管内のエアーを流出させた。ユニオンを元どおりに締め付けた後、ガス器具の着火操作をしたが着火しなかったので、再度、ガスメーター入口と出口のユニオンを緩めて20秒間ほど配管内のエアーを流出させたところガスの臭いがしたので、ガスメーターの入口側バルブを閉め、ユニオンを締め付けようとしたとき、直前で「ドーン」という爆発音とともに火が吹き上げ、火傷を負った。(図)
原因
この災害は、ガス器具の燃焼点検に伴うガス配管内のエアー抜き作業で発生したものであるが、その原因としては、次のようなことが考えられる。1 | 配管内のエアー抜きを行うとき、ガスメーターのユニオンを緩めすぎたため、相当量のLPガスが噴出したこと |
2 | エアー抜きの際に噴出したLPガスが、ガスメーターを収納しているチャンバー内に滞留していたこと |
3 | ガスメーターのユニオン部分からエアーに混じったLPガスが噴出するとき、静電気が発生して帯電していたこと |
4 | ユニオンを締め付けようとして手に持っていたスパナまたはレンチに、帯電していた静電気が放電して着火源となったこと |
5 | LPガス容器から遠い箇所でガス配管のエアー抜き作業行ったため、エアーに混じってLPガスが大量に噴出したこと |
6 | ガス配管のエアー抜きの際に噴出するLPガスを、屋外などに安全に放出する措置を講じていなかったこと |
7 | 作業手順が定められていなかったため、作業員の判断に委ねられて作業が行われていたこと |
8 | エアー抜き作業において、エアーに混じってLPガスが噴出する際に静電気が発生し帯電する危険性に関する知識が欠如していたこと |
対策
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。1 | ガス配管のエアー抜きは、屋外のガス機器を使用して行い、ガス検知器により確認しながら、バルブを少しづつ開放し、エアーのみを大気中に放出させ、ガスはできるだけ放出しないように慎重に行うこと また、静電気が発生しないように、流速に注意すること。なお、エアー抜き作業はLPガス容器に最も近いガス機器の設置してある場所から行うこと |
2 | やむを得ず、室内などでエアー抜きの作業を行うときは、末端ガス栓にゴムホースを接続するなど、エアーに混じって噴出するLPガスを屋外へ安全な方法で放出すること |
3 | 静電気の発生するおそれのある箇所には、接地線を接続するなど静電気の帯電を防止するための措置を講じること |
4 | 作業員には、静電気帯電防止用作業服および静電気帯電防止用作業靴を着用させること なお、作業中は、接地線に接続された導電性のマットなどを敷いて、そのマット上で作業させること |
5 | 作業方法、作業手順、静電気除去対策、保護具の使用などについて記載した作業手順書を作成して周知徹底すること |
6 | ガス器具の燃焼点検に伴うガス配管のエアー抜き作業に係る作業方法、作業手順、静電気の帯電防止対策などについて、安全教育を実施すること |