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労働災害事例

解体撤去するトルエン貯蔵タンクの上で配管の溶断中タンクが爆発、衝撃で地上に墜落

解体撤去するトルエン貯蔵タンクの上で配管の溶断中タンクが爆発、衝撃で地上に墜落
業種 特定貨物自動車運送業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 引火性の物
災害の種類(事故の型) 墜落、転落
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 換気の欠陥
発生要因(人)
発生要因(管理) 保護具を使用していない

No.100205

発生状況

 この災害は、化学工場のトルエン貯蔵タンクの解体作業中に発生したものである。
 工場では、印刷用の特殊用紙等の製法を変更し、トルエンを使用しなくなったので、その貯蔵タンク 4基を解体撤去することになった。タンクの解体搬出作業は、前日から開始されたが既に 3基の解体、撤去が終わり、災害発生当日も朝8時から前日と同じ 3人で 4基目の解体作業を開始した。
 解体作業は、順調に進みタンクに付属していた部材の解体が終ったので、移動式クレーンでタンクをつり上げて基礎から外し、横倒しにしてトレーラーに積み込む手順となったが、トレーラーが到着していなかったので被災者を除く 2人は休憩をとることにした。
 しかし、被災者は、休憩をとることを知らされていなかったので、横倒しされたタンクから突き出ている配管(直径50cm、長さ150c m)がトレーラーで運搬するときに邪魔になると思い切断することにした。
 そこで、溶解アセチレンボンベを運んできて、はしごで吹管を持ってタンクの上に登って配管の付け根付近の溶断を始め、配管の周囲を約20cm程切断したときに、タンクの底板が抜ける程の衝撃を伴ってタンクが突然爆発した。
 そのため、被災者は、衝撃でタンクの上から約 5メートル下の地上に落下して大腿部及び手首を骨折した。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 解体するタンクの中にトルエンの成分が残っていて爆発の雰囲気が形成されていたところに、アセチレンガスによる溶断火花が入ったこと。
2 事前にタンク内の状況把握を行わなかったこと。
3 無資格者がアセチレンガスによる溶断を行ったこと。
4 休憩等の作業指揮を明確に行わなかったこと。
5 タンクに関する情報が的確に伝達されていなかったこと。

対策

 この災害は、化学工場のトルエン貯蔵タンクの解体作業中に発生したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。
1 有機溶剤等を入れたことのあるタンクの解体作業等については、作業開始前に貯蔵していたものの性状に適合したガス等による内部の置換や多量の空気の送気等爆発災害の防止に必要な措置を確実に行うこと。
2 安全な作業方法を定め、明確な作業指揮を行うこと。
3 就業制限業務には有資格者を配置するとともに、作業者に対する安全衛生教育を徹底すること。
4 高所作業では作業床の設置または安全帯の使用を徹底すること。
5 発注者、受注者が一体となった安全衛生管理を行うこと。