バキュームカーの修理中、アセチレンガスが爆発
業種 | 産業廃棄物処理業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 可燃性のガス | |||||
災害の種類(事故の型) | 爆発 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 老朽、疲労、使用限界 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 欠陥のある機械、装置、工具、用具等を用いる |
No.100204
発生状況
この災害は、産業廃棄物の収集、運搬、処理を行っている会社の処理工場においてバキュームカーの修理作業中に発生したものである。災害発生当日の朝8 時頃、工場の責任者でもある被災者は、当日の勤務であった他の2名の作業員に印刷会社から搬入してきていた廃紙を焼却するよう指示した。
一方、被災者は、バキュームカーの排出口のところに穴が空いているとの報告を前日に受けていたので、その修理を行うためバキュームカーを保管庫のところに移動させた。
アセチレンガスのボンベ及び酸素ボンベを運んできて溶接作業を始めたところ、アセチレンガスが周囲に漏洩していたため、それに溶接の炎が着火して爆発火災の状態となり、作業衣全体にも燃え移った。
そこで、被災者は、水道のある事務所の方に走って行き火を消した後、消火器を持って火災現場で消火活動に従事した。
その後、救急車で病院に移送され加療が続けられたが、約1ヶ月後に全身火傷で死亡した。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。1 | アセチレンガスを使用してバキュームカーの排出口付近の穴の修理作業をしていたときに、ガスが漏洩していたこと。 |
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2 | バキュームカーの修理作業は専門工場に依頼するようになっていたが、被災者が自己判断で修理を行ったこと。 |
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3 | 技能講習を修了していない者がアセチレンガスを使用して溶接作業を行ったこと。 |
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4 | 安全管理体制が整備されておらず、作業者に対する安全教育等が実施されていなかったこと。 | |
(1) | 溶接作業を行う有資格者の確保、溶接作業の安全な手順の作成等を行っていなかった。 | |
(2) | 安全衛生推進者等の選任を行っていなかった。 | |
(3) | 作業者に対する安全教育を実施していなかった。 |
対策
この災害は、産業廃棄物の収集、運搬、処理を行っている会社の処理工場においてバキュームカーの修理作業中に発生したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。1 | バキュームカー等の修理に関して必要な手続き、修理要領等について会社方針を明確に定め、関係者に徹底すること。 |
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2 | アセチレンガス等の可燃性ガスを使用した溶接作業は、有資格者に行わせること。 |
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3 | 可燃性ガスを使用して溶接等の作業を行う場合には、作業開始前にホース、吹管等の点検を行い、不良なものは交換、整備すること。 |
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4 | 安全衛生管理体制を整備し、安全衛生教育等を実施すること。 |
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(1) | 安全衛生推進者等を選任し、その職務を遂行させる。 | |
(2) | 安全衛生教育を実施する。 |