ガス管敷設工事において配管作業中、立坑内に充満したプロパンガスを吸い込んで中毒
業種 | その他 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 可燃性のガス | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | その他の建設工事 | ||||
災害の種類 | 中毒 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 有害物のガス、蒸気、粉じん | |||||
発生要因(人) | 場面行動 | |||||
発生要因(管理) | 合図なしに物を動かし又は放す |
No.100199
発生状況
この災害は、新設のガス管敷設工事現場において、ガス管の終端部にエンドキャップを取付ける作業中に、立坑内に充満していたガスを吸引してガス中毒で倒れたものである。災害が発生した日、新たに敷設したガス管の終端に、エンドキャップを取り付ける作業を始めた。この作業は、あらかじめ打ち合わせたところにしたがって、終端側の作業員から本管側にいる作業員に対して、本管のスクイズを解除し、新設管内のエアーパージを行って、終端部で配管からガスの臭いがしたところで本管側の作業員に連絡してガスを止め、エンドキャップを取り付けるものである。この打ち合わせにしたがって、終端部の立坑内から本管側の作業員にスクイズの解除を連絡し、エアーパージを行った。そして、終端部でガスの臭いがしたので、本管側の作業員に本管をスクイズするように連絡しようとしたが作業員の姿が見えなかったので、そのままエンドキャップの取り付けをしていたところ、立坑内に充満したプロパンガスを吸い込んで中毒にかかった。
原因
この災害の原因としては、次のことが考えられる。1 作業マニュアルどおりに作業が行われていなかったこと。
エアーパージを、ガス管を地上部まで立ち上げずに行った。
エンドキャップの溶着は、換気をし、ガスを確実に止めて行うことになっていたが、ほとんど徹底されてなかった。
エンドキャップの溶着作業に手間取った。
エアーパージの後のガスを遮断する作業も徹底していなかった。
2 緊急時の救出のための、呼吸用保護具は常備されていたが、使われていなかった。
3 安全衛生教育が不十分なため無防備で作業が行われ、また、救助も無防備で行われ2次災害が発生した。
対策
この災害は、ガス管の接続作業と終端部処理に手間取ったため、立坑内に流れ出したプロパンガスを吸い込んで、中毒に罹ったものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。1 ガス配管施設作業について、
ガス管の接続方法、スクイズの仕方、ストッパーの仕方、エアーパージのかけ方、エンドキャップの溶着等作業について作業マニュアルが規定されているので、作業手順を習慣化するまで徹底する必要がある。
2 ガス取扱いの開閉合図は、一番の重点であり、この合図を周知するまで教育を徹底する。適当にされると、必ずや同種災害が発生する可能性をひそんでいることを忘れてはならない。
3 外国人に対する対応として、労働者として雇用する場合は、言葉の不自由をカバーするため、実際に作業を行って見せた後、本人にも作業を行わせ、その欠点部分を是正し、繰り返し指導する。
4 作業規定はあっても、誰も守らず、ただ作業ができれば良い主義の作業をやらせていた管理責任は厳しく問われなければならない。