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労働災害事例

鮮魚加工の排水浄化施設のホッパー清掃中に硫化水素中毒

鮮魚加工の排水浄化施設のホッパー清掃中に硫化水素中毒
業種 産業廃棄物処理業
事業場規模 1〜4人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:2人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 設計不良
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 不意の危険に対する措置の不履行

No.100190

発生状況

 この災害は、魚の新鮮加工排水等の浄化施設において、汚泥を投下するホッパーの汚れ落とし作業中に発生したものである。
 災害発生当日、被災者は、汚泥を引き取りにきたトラック運転手と2名で、汚泥搬出室に設置されたホッパーからトラックに汚泥を投下し積載する作業に従事していた。
 汚泥の投下が終了した後、被災者は独りでトラック荷台に昇ってホッパーに付着した汚泥をかき落とす作業を開始したところ、汚泥とともにホッパーから漏出したガスを吸入して意識を失いトラック荷台上に倒れた。
 この時、室外で手待ち休息をとったトラック運転手が戻って来て発見し、事務所に連絡した。
 駆け付けた事務長は、倒れていた被災者を救出するためトラック荷台に上ったが、被災者同様意識がもうろうとして床上に倒れた。
 その後、両名は救急車で病院に運ばれて入院治療を受けたが、診断の結果は硫化水素中毒であった。

原因

 この災害の原因としては、次のことが考えられる。
1 浄化施設で汚泥から硫化水素が発生していたこと
2 換気設備の能力が不足していたこと
3 空気呼吸器等を使用しなかったこと
4 安全衛生教育を行っていなかったこと

対策

 この災害は、魚の新鮮加工排水等の浄化施設において、汚泥を投下するホッパーの汚れ落とし作業中に発生したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。
1 浄化施設について危険有害性の面から再検討を行うこと
2 安全衛生管理体制を整備し的確な管理を行うこと
3 作業場所の換気を十分に行うこと
4 作業マニュアルを作成すること
5 安全衛生教育を実施すること