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労働災害事例

ホテルの厨房で食器洗い作業中全員が一酸化炭素中毒

ホテルの厨房で食器洗い作業中全員が一酸化炭素中毒
業種 旅館業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:8人
不休者数:3人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 設計不良
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 機械装置を不安定な状態にして放置する

No.100186

発生状況

 この災害は、ホテルのガス湯沸かし器のある厨房で食器洗い中に発生したものである。災害発生当日、午前8時30分から3名が食器洗い作業についたが、前日に大きな宴会があり、食器の量が通常の数倍となったため、午後1時からは8名が応援に来て計11名で厨房において食器洗い作業を行った。
 食器洗いの作業は、
1 汚れた食器を水槽内で手洗いする
2 手洗いした食器を自動食器洗浄機で洗浄する
3 洗浄が終わった食器を水切りした後、食器棚に収容する
 という手順で進められていた。
 ところが、午後2時頃から、頭痛、めまいなどの症状を訴える者が続出し、2時30分頃に作業を中止するまでの間に11名全員が同様の症状を訴えたので、重症の2名は救急車で、その他の9名はマイクロバスで病院に運び治療を受けたところ、全員が一酸化炭素中毒と診断された。
 なお、厨房の換気設備としては、調理場用上方吸引式のフード(2基)とガス湯沸かし器用の局所排気装置の2系統が設けられていたが、いずれも稼動させてはおらず、自動食器洗浄機上方天井にある2基の扇風機だけが動いていた。

原因

 この災害の原因としては次のことが考えられる。
1  ガス湯沸かし器の不完全燃焼によって生じた一酸化炭素ガスが徐々に蓄積した厨房において、換気が不十分なまま食器洗い作業を継続させたこと。
 なお、換気不良の原因としては、次のことが挙げられる。
 
(1)
雨天のため窓を閉めていたことから密室状態となり、稼動していた扇風機2基も室内の汚染空気を撹拌するのみであったこと。
 
(2)
ガス湯沸かし器から生ずる一酸化炭素などの排ガス用の局所換気装置を稼動させていなかったこと。
 
(3)
調理場用の換気装置も稼動させていなかったこと。
2  作業管理を行っていなかったこと
 
(1)
厨房における換気の必要性が分かっている管理者などの指揮のもとで、作業を行わせなかったこと。
 
(2)
11名の作業者は雑役であり、その大半が臨時のパートタイマーであったため、換気設備の操作方法を知らなかったこと。

対策

 この災害は、ホテルのガス湯沸かし器のある厨房で食器洗い中に発生したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。
1  厨房でガス湯沸かし器を使用して食器洗い作業を行う場合には、次の措置を講じること。
 
(1)
十分な能力を有する換気設備を設置し、使用すること
 
(2)
換気設備について、定期及び作業の開始前に点検し、必要な保守を行うこと
2  パートの作業者等を使用して食器洗い作業を行う時には、あらかじめ換気の方法を含む作業手順を明確に指示するとともに、管理者の直接の指揮のもとで作業を行わせること。
3  新たに食器洗い作業に就かせる者に対しては、一酸化炭素の有害性、換気の必要性などの健康障害防止に関する労働衛生教育を十分に行うこと。