穀物用サイロの清掃中に臭化メチル中毒
業種 | その他の食料品製造業 | |||||
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事業場規模 | 1〜4人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 化学設備 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 整備不良 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 保護具を使用していない |
No.100175
発生状況
この災害は、製油工場のサイロに付着していた大豆の除去作業中に穀物燻蒸用の臭化メチルを吸引し、中毒死したものである。災害発生当日、サイロの清掃等が行われることになり、工場のサイロ課長、メンテナンス会社の職員、派遣会社の被災者の3人がペアとなって午前8時40分頃から作業が進められた。
被災者がサイロ内で作業を始めてから間もなくして、課長は「清掃マニュアル」に定められている臭化メチルの測定を行わなかったことに不安を覚え、燻蒸業者の詰め所からガス濃度測定器を借りてきてサイロの下部にあるバルブの所で測定したところ、2ミリグラム/リットル(約515ppm)が表示された。
そこで、サイロ内も危険と考え、急いでサイロ上部に戻り、被災者をゴンドラに乗せ引き上げたが、被災者は既に意識混濁状態にあり、病院移送後に一度意識が回復したものの再び病状が悪化し、その日の夜に死亡した。
原因
この災害の原因としては次のことが考えられる。1 燻蒸が終わった隣接のサイロの壁からの漏洩、サイロには気化した臭化メチルを送り込むための配管のバルブからの漏洩等によりサイロ内に臭化メチルが入ったこと
2 サイロ内の臭化メチルの濃度測定を行わなかったこと
3 サイロ及び付属配管等の点検を行っていなかったこと
対策
この災害は、製油工場のサイロに付着していた大豆の除去作業中に穀物燻蒸用の臭化メチルを吸引し、中毒死したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策が必要である。1 サイロ内の臭化メチルの濃度測定を確実に行うこと
2 作業指揮の明確化を図ること
3 作業手順を徹底すること
4 有害物質の流入防止措置を行うこと
5 防毒マスク等を使用させること
6 緊急事態訓練を実施しておくこと
7 設備等の点検整備を実施すること