高圧受電設備の点検のため昇柱し、電撃ショックで墜落
業種 | その他 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 電力設備 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 構成材料の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 不意の危険に対する措置の不履行 |
No.100166
発生状況
この災害は、柱上に設置された高圧受電設備の点検のため、昇柱した被災者(保安技師)が漏電していた変圧器台の金属部分に触れて電撃ショックを受け、地上に転落したものである。被災者の所属する協会は、電気設備を有する会社等の依頼を受け、電気設備の点検を専門に行っており、当日、被災者は、朝から乗用車で点検業務に従事しており、午前中には一つの事業場の点検を終了し、昼食後、協会にいったん立ち寄った後、午後3時20分頃災害のあった事業場に到着した。
事業場に到着して、事業場の社長に挨拶し、すぐに工場の端の方にあって柱上に設置している高圧受電設備の点検に向かった。
午後3時25分頃、事務所に一人でいた社長のところへ妻がやってきて、「助けてくれ」という声が聞こえたというので、受電設備の点検を行っている場所に行って見ると、変圧器等の載っている電柱の下で被災者が仰向けになって倒れており、「いびき」をかいていた。
意識がないように思われたので、直ちに救急車を手配し、病院に移送したが、入院して約3時間後に死亡した。
原因
この災害の原因としては、次のことが考えられる。1 工場の照明に使用されている16個の水銀灯のうち、1灯の水銀灯から漏電していて、建物を介して変圧器架台に漏電していたこと
2 安全帯の装着、ゴム手袋の着用等柱上作業の装備がなされていなかったこと
3 安全な作業についてのマニュアルの作成とそれに基づく教育訓練等安全教育が徹底していなかったこと
対策
この災害は、柱上に設置された高圧受電設備の点検のため、昇柱した保安技師が漏電していた変圧器台の金属部分に触れて電撃ショックを受け、地上に転落したものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策が必要である。1 安全衛生教育の徹底
2 予備的情報の把握
3 作業内容の確定
4 検電の励行
5 絶縁用保護具の着用等
6 受電設備の防護等の改善
7 安全管理体制の整備