建設工事用鋼板をバックホーでトラックから下ろす作業中、鋼板が外れる
業種 | 道路貨物運送業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 掘削用機械 | |||||
災害の種類(事故の型) | 激突され | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 区画、表示の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 合図、確認なしに車を動かす |
No.100162
発生状況
この災害は、建設工事で使用された鋼板をリース会社へ運搬し、バックホーを使用してトラックから荷下ろし中に鋼板からフックが外れ鋼板が玉掛者に当たったものである。当日の朝、会社の配車係から無線で建設工事現場に行って敷き鋼板を回収してリース会社まで運送するよう指示を受けた被災者は、小型クレーンを搭載したトラックを運転して現場に赴き、小型クレーンでトラックに鋼板10枚を積み込み指定されたリース会社へ到着した。
到着後、直ぐに荷下ろしを行うことになり、バックホーの運転をリース会社の事務所長が行い、玉掛けは被災者が行って3枚目の荷下ろしの時に、折からの強風のため吊り上げた鋼板の触れが大きくなったので、振れ止めのため鋼板の端を既に荷下ろしした鋼板に接地させたところ、フックが鋼板の穴から外れ、玉掛けの用意のため近くに居た被災者に激突した。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。1 無資格者にバックホーの運転及び、玉掛け作業を行わせた結果、玉掛けの方法が適切でなかったこと
2 荷の積み下ろしには、移動式クレーンを使用すべきなのに車両系建設機械の用途外使用をしたこと
3 10メートル以上の強風が頻繁に吹いていたのに作業を行ったこと
対策
この災害は、建設工事で使用された鋼板をリース会社へ運搬し、バックホーを使用してトラックから荷下ろし中に鋼板からフックが外れ玉掛者に当たったものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策が必要である。1 荷の積み降ろしには移動式クレーンを使用すること。
やむを得ず車両系建設機械を臨時的に用途外使用する場合には、フック、シャックル等を確実に取り付けること、吊りにが落下しないよう「外れ止め」を取り付けること等の措置を講じること。
2 異なる事業場の者が共同で作業を行うような場合には、作業の前に手順の打ち合わせを十分に行うこと。
3 無資格者に機械の運転、玉掛け作業を行わせないこと。
4 安全衛生教育を実施すること。
5 安全管理体制を整備し、計画的な安全活動を行うこと。