トラッククレーンからドラグショベルを降ろす作業中クレーンが横転
業種 | その他 | |||||
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事業場規模 | 1〜4人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 移動式クレーン | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | その他の土木工事 | ||||
災害の種類 | 移動式クレーン | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 老朽、疲労、使用限界 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 不意の危険に対する措置の不履行 |
No.100147
発生状況
この災害は、新築住宅の工事現場において車両積載型トラッククレーンで搬送してきた小型ドラグショベルを荷台から降ろす作業中にトラッククレーンが横転したものである。この工務店は、整地が終了した7区画の基礎工事を請け負い、リース業者に小型ドラグショベルの貸与を発注した。この会社は、さらに災害発生当日の午前7時半頃、経営者が同一のリース会社に小型ドラグショベルを現場へ回送するよう依頼した。
災害発生当日の午前8時頃リース会社の労働者は、会社所有の車載型トラッククレーンに小型ドラグショベルを積み込み、工務店の責任者とともに工事現場へ到着し、責任者の指示で基礎工事を行う場所よりさらに上段の区画(他の業者が整地・造成中の分譲地)に運び、ドラグショベルを1.8m低い位置に降ろす段取りをした。
ドラグショベルを降ろすのに先立ち、トラッククレーンのアウトリガーを最大張り出し、ジャッキ部に角材を敷いた。
次いで、荷台の上のドラグショベルのブームにワイヤロープを通して玉掛けし、旋回しながら降ろす位置に停止したときにアウトリガーのジャッキ部の下の角材が折れ、同時に、トラッククレーンは横転し、運転していた労働者は、横転したトラッククレーン操作部と擁壁との間に挟まれた。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。1 トラッククレーンのアウトリガーのジャッキ部ベース金具の下に敷設していた角材が折れたこと
2 地盤が軟弱であり、鉄板等を敷設する必要があるのにそれをせずに作業を行ったこと
3 法定の資格がない者に移動式クレーンの運転等を行わせたこと
対策
この災害は、新築住宅の工事現場において車載型トラッククレーンで搬送してきた小型ドラグショベルを荷台から降ろす作業中にトラッククレーンが横転したものであるが、同 種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。1 移動式クレーン等及び玉掛業務は、有資格者に行わせること
2 作業指揮命令系統を明確にすること
3 作業場所の広さ、地形、地質等について調査のうえ作業計画を作成すること
4 作業マニュアルを策定すること
5 関係労働者に対して安全衛生教育を徹底すること。
また、移動式クレーンの運転の業務に従事する労働者に対し再教育を実施すること。