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労働災害事例

ホイールクレーンで荷をつり上げ中、アウトリガーがめり込んでクレーンが転倒

ホイールクレーンで荷をつり上げ中、アウトリガーがめり込んでクレーンが転倒
業種 陸上貨物取扱業
事業場規模 1〜4人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 移動式クレーン
災害の種類(事故の型) 転倒
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 構成材料の欠陥
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 機械、装置、工具、用具等の選択を誤まる

No.100144

発生状況

 この災害は、ホイールクレーンで型枠をつり上げ中、張り出したアウトリガーが地面にめり込んだため、クレーンが転倒したものである。
 災害発生当日、学校の建築工事現場の壁部分のコンクリート型枠の建て込み作業をホイールクレーンを使用して行うことになった運転者は、午前9時頃から作業場所にクレーンを設置し、アウトリガーを最大に張り出し、アウトリガーの下には角材を井桁に組んで敷いた。
 この準備が終了してから、補助ジブを最大に伸ばし、約32メートル離れたところにある約600kgの型枠に玉掛けをして地切りをし、50cm程吊り上げた時に、ホイールクレーンが急に傾いた。
 すぐに、立て直しを試みたが及ばず、クレーンはそのまま転倒してしまった。

原因

 この災害の原因としては、次のことが考えられる。
1 運転者は、実際のつり上げ作業に先立ち、アウトリガーを最大に張り出し、その下に井桁に組んだ角材を沈下防止のために敷いてはいたが、その寸法が小さすぎて軟弱地盤対策としては不十分であったこと
2 運転者は、当日の作業については工事を請け負った元請け会社等と詳細な打ち合わせを省略しており、作業計画が不十分であったこと

対策

 この災害は、ホイールクレーンで型枠を吊り上げ中、張り出したアウトリガーが地面にめり込んだため、クレーンが転倒したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策が必要である。
1 作業場所の広さ、地形および地質の状態、荷の重量、クレーンの種類および能力、転倒を防止するための方法等について検討し、適切な作業計画を定めること
2 地盤の状況に対応して鉄板等の敷設、アウトリガーの位置と張り出し等を決定すること
3 合図の方法を定め、合図者を指名して作業を行うこと
4 作業指揮者を定める等作業指揮の明確化を図ること