ドラグ・ショベルで火山灰の積込み中、機体とともに路肩から転落
業種 | 砂利採取業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 掘削用機械 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 合図なしに物を動かし又は放す |
No.100142
発生状況
この災害は、火山灰の採取場でドラグ・ショベルを運転して火山灰をトラックに積み込み作業中、ドラグ・ショベルが法面から転落し、運転者が地面とドラグ・ショベルとの間にはさまれたものである。当日、被災者は、午前6時頃より同僚とともにそれぞれダンプトラックを運転し、火山灰の積み込みに向かい、採取場でドラグ・ショベルでダンプトラックに積み込み、盛土をする建設現場等への運搬を行っていた。
2回の採取、運搬が終わり、3回目の採取の際、被災者の到着が遅れたため、同僚が先に火山灰を積み込んで出発したが、その後、被災者が単独でドラグ・ショベルでダンプトラックに積み込み作業中、機体が狭い地山から後方に2.4メートル転落し、運転していた被災者はその下敷きとなって入院後2日目に死亡した。
原因
この災害の原因としては次のようなことが考えられる。1 誘導者の配置等安全管理体制がなかったこと
2 掘削についての作業計画が無かったこと
3 ドラグ・ショベルの運転を誤ったこと
4 安全教育が実施されていなかったこと
5 特定自主検査が行なわれていなかったこと
対策
この災害は、火山灰の採取場でドラグ・ショベルを運転して火山灰をトラックに積み込む作業中、ドラグ・ショベルが法面から転落し、運転者が地面とドラグ・ショベルとの間に挟まれたものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。1 掘削の高さと勾配、掘削面の段の位置及び奥行き、使用する機械、崩壊防止の方法等について作業計画を策定すること
2 作業主任者を配置し、その者により作業方法の決定、作業の直接指揮を行わせること
3 機械の運行経路を決定すること
4 安全衛生管理体制を整備すること
5 安全衛生教育を実施すること
6 車両系建設機械等の点検整備を徹底すること