廃液処理施設の建設工事において、地下水槽内に滞留していた引火性の蒸気が爆発
業種 | 機械器具設置工事業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 引火性の物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 爆発 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 機械器具設置工事 | ||||
災害の種類 | ガス等の爆発 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 整備不良 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 組合せては危険なものを混ぜる |
No.100092
発生状況
この災害は、洗浄用の溶剤、切削油の製造販売等を行っている会社の廃液等処理施設の建設工事において爆発が発生したものである。この工事は、廃液燃焼装置、排ガス等を処理する装置及び廃水を貯蔵する鉄筋コンクリート造りの地下水槽を設置するものであった。
災害発生当日の午後4時55分頃、既に完成していた地下水槽内で突然爆発が起こり、マンホール等の開口部から爆風が吹き上げ、マンホール蓋、ピットのコンクリート蓋及び点検口の蓋が吹き飛ばされたほか、点検口の上に設けられていたフィルタープレス操作用の鉄製の架台もフィルタープレスごと吹き飛ばされた。
そのため、フィルタープレスの架台上で作業をしていた被災者が脳挫滅で死亡したほか付近を歩行中の者、配線作業の後片づけを行っていた者2名、外構工事の型枠作業を行っていた者が火傷あるいは飛来したコンクリート片による骨折等の被害を受けた。
原因
この災害の原因としては、次のことが考えられる。1 地下水槽内に引火性の蒸気が滞留していたこと
2 換気設備が設置されていなかったこと
3 廃水ドラム缶の管理が不適切であったこと
4 廃水送給検査を工事請負業者に連絡することなく発注者が単独で実施したこと
対策
この災害は、洗浄用の溶剤、切削油の製造販売等を行っている会社の廃液等処理施設の建設工事において発生したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要と考えられる。1 地下水槽内に引火性のガス蒸気が滞留しないように設備の改善を行うこと
2 回収用ドラム缶の管理の明確化を図ること
3 発注者と工事業者間の連絡を密にすること
4 その日の作業開始前に次のような事項について点検を行うこと
イ溶接作業等火気を伴う作業の場合には、危険なガス蒸気の存在の有無
ロ使用する電気機器の機能及び安全装置の機能状況、漏電の有無等
5 安全な作業を行うための規程・マニュアル等を整備すること
6 安全衛生教育を実施すること