宅地造成現場で下水道溝掘削の法肩を点検中、突然足下が崩れた
業種 | 上下水道工事業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 地山、岩石 | |||||
災害の種類(事故の型) | 崩壊、倒壊 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 上下水道工事 | ||||
災害の種類 | 土砂崩壊 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 法面の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 憶測判断 | |||||
発生要因(管理) | その他の不安全な場所へ乗る |
No.100055
発生状況
宅地造成工事現場内において下水道工事のため深さ1.4m、延長24.5m、幅1.6mほどに掘削した溝の点検等のため、掘削した溝の端部(法肩部)を被災者が歩いていたところ、突然足もとの溝端部(法肩部)が崩れ、崩れた土砂とともに溝の中に埋没した。被災者はすぐに救出され、病院へ運ばれたが、約2時間半後、窒息により死亡した。地盤は蓮畑に盛り土をした造成終了直後のものであり、災害発生箇所の深さ1.25m〜2mの間ではN値は3以下であり地盤としては「非常にゆるい」状態であった。また、災害発生前の2日間の降雨量の合計は26mmであった。
原因
この災害の原因としては次のようなことが考えられる。1 掘削溝の端部(法肩部)を歩いたこと
2 土止めの設置や法面の勾配を緩くするなどの措置を講じていなかったこと
3 土砂崩壊の恐れがある掘削した溝の端部(法肩部)をあらかじめ立ち入り禁止とするなどの防護対策を講じていなかったこと
4 掘削した溝の法肩付近に掘削土を積み上げていたこと
5 安全衛生管理体制がなかったこと
6 安全衛生教育が実施されていなかったこと
7 掘削についての作業計画がなかったこと
対策
宅地造成工事現場内において、下水道工事のためドラグショベルを用いて深さ1.35m、延長24.5m、幅1.6mほど掘削した溝の点検等のため、被災者は掘削した溝の端部を歩いていたところ、突然足下の溝の端部が崩壊し、崩壊した土砂とともに溝の中に埋没した。被災者はすぐに救出され、病院へ運ばれたが、約2時間半後、窒息により死亡した。同種災害の防止対策としては次のようなことが考えられる。
1 土止め支保工などの崩壊防止のための措置を講じる前は溝の中を含め立入禁止の措置を講じること
2 土止め支保工を設置するなどの土砂崩壊を防止する措置を講じること
3 安全管理体制の整備
4 作業計画の策定
5 安全衛生教育の実施