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この災害は、看板改修工事現場において、作業用つり足場(作業床)の撤去作業中に発生したものである。
災害発生当日、職長は現場に到着した後、朝礼を実施し、つり足場の撤去作業と下ろした作業床の清掃作業についての指示を行った。その後、まずつり足場の支持梁(上部構造)をホイールクレーンでつって下ろし、道路上にて解体作業を行った。支持梁を半分程度ばらした後、Cと被災者が作業床を撤去するため二人で高所作業車のバケットから作業床に乗り移り、玉掛け作業を行った。そして作業床を吊り上げる際、被災者が作業床上にいたため、Cが高所作業車に乗り移るように言ったが、被災者は「俺はいいから」と言ったため、そのままつり上げ作業を開始した。つり上げを開始して間もなく、作業床が固定用のアングルに引っかかったため、高所作業車に乗っていたCがこれを揺すって引っかかりをはずした。引っかかりが外れた直後に「アッ」という声がしたのでCが下を見たところ、被災者が歩道上に倒れていた。
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この災害の原因としては、次のことが考えられる。
1 作業床の撤去・解体作業を行うに当たり、作業床の上に作業者を乗せた状態でクレーンによりつり上げたこと。
2 つり上げた作業床の引っかかりをはずす際に、作業者が作業床に乗った状態のまま揺すったこと。
3 足場の撤去・解体作業を行わせる際に、予め作業方法等の打ち合わせが十分に行われていなかったこと。
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この災害は、看板の改修工事において使用した作業用吊り足場(作業床)の撤去作業中に発生したものであるが、同種災害を防止するためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 足場等の解体作業を行う場合は、予め作業方法等について十分検討し、作業手順を定め、その手順に基づいて作業を実施すること。
2 足場の解体作業においては、必ず資格を有する作業主任者の直接指揮のもとに作業を行うこと。
3 吊り荷の上に作業者を乗せた状態でクレーン作業を行わないこと。
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