移動式クレーンでつり上げていた搭乗設備が落下
業種 | 陸上貨物取扱業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 移動式クレーン | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 設計不良 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 安全装置をはずす、無効にする |
No.100029
発生状況
この災害は、移動式クレ−ンの補巻に搭乗設備をつり下げて作業をした後地上に降ろそうとしたとき、搭乗設備が急激に落下して地面に激突したものである。災害発生当日、移動式クレ−ンの補巻に搭乗設備をつり下げ、これに被災者が乗り込んで雨樋の取り付け作業をしていたが、作業が終了したので移動式クレ−ンの運転手が搭乗設備を地上に降ろそうと補巻用のクラッチを切り、ブレ−キを調節しながら重力降下させていたとき、旋回操作に気を取られてブレ−キを緩めてしまったため、搭乗設備が急激に落下した。
搭乗設備は、一階のひさしに当たって反転し、そのまま搭乗していた被災者とともに地面に激突し、被災者は胸部を強打して死亡したものである。
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。1 廃材入れとして製作した設備に労働者を搭乗させて移動式クレ−ンで吊り上げ、作業をさせたこと
2 補巻用のクラッチを切って動力を遮断して、ブレ−キ操作だけで搭乗設備を重力降下させたこと
3 搭乗設備の転位及び脱落を防止する措置を講じていなかったこと
4 高所作業を行うのに、労働者に安全帯を使用させていなかったこと
対策
この災害は、移動式クレ−ンの補巻に搭乗設備をつり下げて作業をした後地上に降ろそうとしたとき、搭乗設備が急激に落下して地面に激突したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要と考えられる。1 高所作業車の使用や足場の設置等が可能な場合には、移動式クレ−ンによって労働者を吊り下げる方法での作業は行わないこと
2 移動式クレ−ンで搭乗設備を降下させるときには、動力下降の方法によること
3 高所作業を行うときは、労働者に安全帯を使用させること
4 フックには必ず外れ止め装置を使用すること
5 作業前点検、月例・年次点検を実施すること