木造住宅新築工事で2階天井の梁から墜落
業種 | 建設業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 作業床、歩み板 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 木造家屋建築工事 | ||||
災害の種類 | 歩み板から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 構成材料の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 工具、用具、材料、くず等を不安全な場所に置く |
No.100020
発生状況
この災害は、2階建木造住宅新築工事において棟上げ作業中に発生したものである。災害発生当日は、2階建木造住宅の棟上げの日で、朝8時から6名で棟上げ作業を開始した。
6名の内訳は、工事を請負った事業主と常用の労働者3名と当日臨時に雇った2名(うち1名は被災者)であった。
作業の手順は、地上で桁につく柱を差し込み組み立てたものを、移動式クレ−ンで吊り上げ建てていく方法で行うもので、地上で組み立てる作業を主に事業主と2名の作業者で行い、被災者と他の2名が高所に上がって建て方の作業を行い、午前中に2階の天井周りの骨組みまで終了した。
昼の休憩後、午後1時から午前と同様の作業分担で作業が開始され、被災者は2階の屋根の梁の上に足場板1枚を掛け渡しその上に乗っていた。
他の2名は、2階の床のところで足場板を敷いたり、移動式クレ−ンから荷を受ける準備をしていたが午後1時10分頃、物が落ちる音がしたので、下を見ると1階基礎コンクリ−ト部分に被災者が倒れていた。
原因
この災害の原因としては次のことが考えられる。1 足場板を固定していなかったこと
足場板も一緒に落下したことから、足場板が固定されていなかったこと。
また、被災者は足場板の上でバランスを崩したものと思われる。
2 墜落防止措置を行っていなかったこと
作業床としていた足場板から墜落を防止するための囲い等、又は防網の設置はされていなかった。
また、被災者は安全帯を使用していなかったし、保護帽も着用していなかった。
3 作業主任者を選任していなかったこと
木造建築物の組立て等作業主任者を選任していなかった。
4 安全教育が実施されていなかったこと
被災者は、当日始めて雇用されたものであるが、現場において新規入場者教育等は行われなかった。
対策
この災害は、2階建木造住宅新築工事において発生したものであるが、同種災害防止対策のため次のような対策が必要である。1 墜落防止措置の徹底 | |
(1)高さ2m以上の箇所で作業を行う場合には、墜落防止のための安全な足場の設置、防網の設置または仮床を張る等の墜落防止措置を先行して行う。 (2)木造建築物の棟上げ作業を行う場合は、足場先行工法等を採用する。 |
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2 安全な作業方法の遵守 | |
(1)足場の設置が困難な場合には必ず安全帯を使用する。 (2)また、保護帽を必ず着用する。 |
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3 安全管理の徹底 | |
(1)現場監督者は、墜落のおそれのある箇所で作業を行う場合は直接指揮をとる。 (2)木造建築物の組立て等作業主任者を選任し、作業指揮等必要な職務を行わせる。 |
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4 安全教育の実施 | |
(1)臨時の作業者に対しても安全教育を実施する。 |