電柱上で仮設電線の撤去作業中、電柱が根元から折れて墜落
業種 | 電気通信工事業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 仮設物、建築物、構築物等 | |||||
災害の種類(事故の型) | 転倒 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 電気通信工事 | ||||
災害の種類 | 電柱から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 老朽、疲労、使用限界 | |||||
発生要因(人) | リーダーシップ | |||||
発生要因(管理) | 安全装置をはずす、無効にする |
No.100016
発生状況
この災害は、仮設電柱の配線の撤去作業を行っていた際に発生したものである。災害発生箇所での作業は、前年に建込した仮設電柱に架けられた配線を、その日一日で撤去するものであった。
当日、午後1時30分より、職長と労働者6名は、仮設電柱等(仮設電柱5本、電力会社の電柱1本)の配線撤去作業を開始した。労働者Aは仮設電柱3に上がり一人で電線外し等の作業を行った。また、職長は作業の監視業務、電柱1(電力会社のもの)と仮設電柱2では高圧線との切り離し作業等に4名、仮設電柱4では電線外しに1名が配置されていた。
その後、仮設電柱3、4の作業が終了し、電柱1と仮設電柱2での作業もほぼ終了したので、Aは仮設電柱5へ、仮設電柱4の労働者は仮設電柱6へ、電柱1及び仮設電柱2の担当者の内1名は仮設電柱6に移動した。
午後2時25分頃、Aは仮設電柱5の地上より高さ約7mの位置で、金物撤去作業に従事していた。その時、当該電柱が根元より折れ舗装道路方向に倒れた。Aは安全帯の親綱で電柱につながれていたために電柱と共に倒れ、頭部を強打した。
原因
この災害の原因としては次のようなことが考えられる。その他の原因としては次の事項を指摘することができる。
1 事前に電柱を点検し、倒壊等のおそれがないことを確認しなかったこと
2 柱上作業中で安全作業手順に反して、控えワイヤーを外してしまったこと
3 特定元方事業者による統括安全衛生管理が適正に行われていなかったこと
4 ツールボックスミーテング等を実施して安全な作業方法の周知徹底を行わなかったこと
5 職長により適切な作業指揮を行わせていなかったこと
6 事業場にストックしている電柱の保守点検体制が決められていなかったこと
対策
この災害は、仮設電柱の配線の撤去作業を行っていた際に発生したものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。1 電柱の損傷を確実に把握できる点検体制を確立するとともに、損傷(腐食等)のある電柱上では作業を行わせないこと。
2 電柱上での作業については可能な限り高所作業車を使用する等安全な施工方法を採用すること
3 柱上作業中控えワイヤーを外さない等の安全作業手順を遵守させること
4 特定元方事業者は、連絡調整等の統括安全衛生管理を確実に行うとともに、一次下請、二次下請等の関係請負人に対して労働災害を防止するため必要な指導、援助を行うこと
5 ツールボックスミーテング等で当日の安全な作業方法を関係労働者に周知させること
6 事業者は担当職長に安全作業を確実に指揮させること