橋梁の塗装工事でつり足場を組立作業中墜落
業種 | その他の建築工事業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 足場 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | その他の建設工事 | ||||
災害の種類 | 足場から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 防護・安全装置がない | |||||
発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
発生要因(管理) | 不意の危険に対する措置の不履行 |
No.100014
発生状況
この災害は、橋桁の塗装用つり足場の組立て作業中に墜落したものである。つり足場は、橋桁からつりチェーンを垂らして親パイプをつり、親パイプと直角に「ころばし」の単管を掛け渡す構造のもので、上下2段を設置する計画であった。
墜落防止の措置としては、最終的には下のつり足場の底面に安全ネットを張り、つり足場上での作業、移動を容易にするため河原の高さ19.5m橋桁下及び橋桁の左右に足場板を敷くことになっていた。
この作業には、最大作業高さ15mのリフトトラック2台を使用し、一定範囲の作業が終わるとリフトトラックを逐次移動させていた。
災害発生当日、2回目にリフトトラックを移動させるため、作業者3名がリフトトラックで地上に降り、トラックの移動を始めたが、タイヤが河原の砂に埋まり動かなくなってしまった。
つり足場上に残った5名は、つり足場上に敷いた足場板の上でつりチェーンに安全帯を取り付けて待機してこの様子を見ていた。
約15分ほど足場上で待機した時点で、音がしたので作業員が振り返ると、被災者が「ころばし」の下あたりで、つりチェーンに掴まろうとしながら墜落していった。
被災者は、専ら一人でチェーンの調整を行っていたので、待機中に橋桁の下のフランジに乗り、つりチェーンの調整もしくは移動中に被災したものと推定される。
原因
この災害の原因としては、次のことが考えられる。1 足場上で待機している間は、安全帯を使用することになっていたのに、つりチェーンの調整等のため横移動し、そのときには安全帯を使用していなかったこと
2 リフトトラックの移動中、地上に降りて待機すべきであったが、墜落のおそれのある高所で待機していたこと
3 足場の組立作業主任者が高所における作業員の安全帯使用等について監視を行っていなかったこと
対策
この災害は、橋桁の塗装用つり足場の組立て作業中に墜落したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。1 リフトトラックの移動時には、地上に降りて待機させることを徹底すること
2 手待ち時間に高所で待機または作業しなければならない場合には、足場の組立て作業に並行して安全帯の取付け設備を設置すること
3 つり足場の組立てと並行して墜落防止の安全ネットを張る作業手順とすること
4 足場の組立作業主任者は、安全帯の使用等について監視の職務を履行すること
5 安全を十分に取り込んだ施工計画を策定し、労働者に対して周知徹底するとともに、教育訓練を実施すること