住宅新築工事において屋根瓦葺作業中に天窓箇所から墜落
業種 | 木造家屋建築工事業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 屋根、はり、もや、けた、合掌 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 木造家屋建築工事 | ||||
災害の種類 | 屋根、屋上から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 防護・安全装置がない | |||||
発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
発生要因(管理) | 保護具を使用していない |
No.100013
発生状況
この災害は、個人住宅の新築工事において屋根瓦葺作業を行うための段取り作業中に2階の天窓箇所から墜落したものである。災害発生当日、工事の現場責任者のAが出社したところ、工事部長より、住宅新築工事現場の作業に被災者と2名で従事するよう指示を受けたので、直ぐに作業に必要な機材を車に積み込んで現地に向かい午前8時頃に到着した。
当日の作業の内容は、住宅の北側の1階の軒先部分に「瓦ぐり」(ブリキ板を波形に加工したものを取り付けるもの)を取り付けるもので、打ち合わせの後二人は1階の屋根に上り直ちに作業に取りかかった。
作業を開始して15分程経過したとき、現場責任者Aは、ブリキ鋏を車の中に忘れてきたことに気づき、それを取りに行くため住宅の東側に立てかけてあった移動ばしごの方に移動した。
その時に1階の屋根にいた被災者の方を振り返って見たところ、当日の作業予定には入っていない2階屋根の天窓箇所(地面からの高さは約7メートル)にいたのでおかしいと思った直後、被災者は天窓箇所に敷いてあった床ルーフ(発泡スチロール製)を踏抜き、地上の土間に墜落した。
原因
この災害の原因としては、次のことが考えられる。1 作業の指示が明確に行われていなかったこと
2 堅固な踏抜き防止措置がなされていなかったこと
3 安全衛生教育が行われていなかったこと
対策
この災害は、個人住宅の新築工事において屋根瓦葺作業を行うための段取り作業中に2階の天窓箇所から墜落したものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策が必要である。1 短時間の作業であっても作業の指示を明確に行うこと
2 墜落の危険がある場所には囲い、柵等の墜落防止措置を確実に行なうこと
3 新規入場者教育等の安全衛生教育を実施すること
4 墜落防止措置のための機材を準備すること