送電線鉄塔の組立て作業中、キーロックロープが取付部から外れ墜落
業種 | 電気通信工事業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の用具 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 電気通信工事 | ||||
災害の種類 | 塔等から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 構成材料の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 場面行動 | |||||
発生要因(管理) | 安全装置をはずす、無効にする |
No.100005
発生状況
この災害は、送電線の鉄塔建設工事において、鉄塔の部材を台棒と呼ばれる装置で吊り上げていたときに発生したものである。当日の作業は、鉄塔の部材を地上で地組みしてからドラグショベルで荷上げ場所まで運搬し、台棒のワイヤロープを使って部材を吊り上げたのち鉄塔上でボルトを固定し、鉄塔を組み上げていくものであった。
この作業は、午前9時から開始され、鉄塔に4つある脚部の一つの脚付近の高さが約25mの箇所において、被災者は同僚と二人で台棒で吊り上げた部材を、脚に取り付けやすい位置まで移動させようとして台棒に乗り移り、台棒の上部に昇ろうとしたが、安全帯に装着していたキーロックロープが、鉄塔の脚のステップボルトに引っかかってしまった。
そこで、それを外そうとしたときに、キーロックロープが、脚の最上端から上方に外れ、その反動で被災者は体のバランスを崩し地上に墜落した。
原因
この災害の原因としては次のことが考えられる。1 キーロックロープ固定側の取り付け方法が適切でなかったこと
2 台棒にキーロックロープが一本しか取り付けられていなかったこと
3 墜落防止用の防網を設置していなかったこと
4 キーロックロープの取り付け等に関する作業手順が作成されていなかったこと
対策
この災害は、送電線の鉄塔建設工事において、鉄塔の部材を台棒と呼ばれる装置で吊り上げていたときに発生したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。1 キーロックロープの脱落防止措置を行うこと
2 キーロックロープを作業員数等に合わせて設置すること
3 作業マニュアルを作成し教育訓練を十分に行うこと
4 安全管理体制を整備し的確な管理を行うこと