屋外で上部を開放したタンク内を塗装中、有機溶剤により中毒
業種 | その他 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | その他の建設工事 | ||||
災害の種類 | 中毒 | |||||
被害者数 |
|
|||||
発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.1022
発生状況
本災害は、屋外に仮置きされた、海上埋め立て作業に使用される新造のタンク内部に、さび止めの塗装を施す作業を行っている際に、塗料中に含まれるキシレンにばく露し、有機溶剤中毒を起こしたものである。災害発生当日の作業は、まずタンクのゴミやさびをとるなど掃除をしてから、内部を1回塗り、その後外側を3回塗るというものであった。タンクの形状は縦3m×横13m×高さ2mであり、上面部の縦3m×横9mが開放されていた。
被災者は、30分ほどかけてタンクの掃除を終えたのち、吹き付けガンによりタンク内部の塗装を開始した。その後、被災者は18l入りの塗料缶およそ1缶分を使用し、タンク内部のおよそ1/3を仕上げた時点で、意識を失って倒れたところを同僚に発見され、直ちに救出されて病院に運ばれ、有機溶剤中毒として入院加療を受けたものである。
なお、使用した塗料は第2種有機溶剤であるキシレンを10%〜20%含有しているものであったが、タンク内での吹付け塗装作業であるにもかかわらず、送気マスクの備付けがなく、被災者に着用させていなかった。また、有機溶剤作業主任者の選任も行っていなかった。
原因
(1) 送気マスクを着用せずに、タンク内部で塗装を行ったこと。(2) 有機溶剤作業主任者が選任されておらず、保護具の使用状況を監視する等の職務が遂行されていなかったこと。
対策
(1) タンクの内部等で短時間の塗装をさせる場合は、送気マスクを着用させること。(2) 有機溶剤作業主任者を選任し、その者に作業者を指揮する、保護具の使用状況を監視する等の職務を遂行させる等、中毒を予防するよう対策を講ずること。