下水道工事現場におけるたて坑内での酸素欠乏症
業種 | 上下水道工事業 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 異常環境等 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 上下水道工事 | ||||
災害の種類 | 酸欠 | |||||
被害者数 |
|
|||||
発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.926
発生状況
本災害は、下水道工事において下水道の到達箇所の地質調査のため、たて坑内に降りた2名が酸素欠乏空気により被災したものであり、救助のため、たて坑に入った1名も被災したものである。災害発生当日、作業者AとBは下水道工事現場のたて坑内の地質調査のため、たて坑内へ降りて行くや否や折り重なって倒れた。作業者Cは救助のため、腰にロープを巻いてたて坑の中に入ったが、すぐ倒れてしまい、地上にいた作業者により救助された。
AおよびBはレスキュー隊により救助されたが死亡、Cは3日間の休業となった。
災害の発生したたて坑内では、粘土中に大量に含まれる2価の鉄イオンが酸素を消費し3価の鉄イオンとなったため、酸素欠乏状態になったと推定される。
原因
[1] 作業場所に酸素濃度測定器を備えておらず、酸素濃度を測定せずたて坑に入ったこと。[2] 作業場所の換気を行わなかったこと。
[3] 酸素欠乏危険作業主任者を選任していなかったこと。
[4] 救助に際して空気呼吸器を使用させなかったこと。
対策
[1] 作業を開始する前に、当該場所の空気中の酸素濃度を測定すること。[2] 当該場所の酸素濃度を18%以上に保つように換気を行うこと。
[3] 酸素欠乏危険作業主任者を選任し、所定の職務を行わせること。
[4] 作業者に対して、酸素欠乏に関する特別の教育を行うこと。
[5] 救出時の対応として、空気呼吸器等を使用すること。