倉庫新築現場における練炭使用による一酸化炭素中毒
業種 | 建築工事業 | |||||
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事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | 建築工事 | ||||
災害の種類 | 中毒 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.924
発生状況
本災害は、コンクリート打設後練炭コンロで養生した防火水槽の内部に入り型枠支保工の解体作業を開始したところ被災したものである。災害の発生場所は倉庫の地下にあるコンクリート製防火水槽部分である。災害当日コンクリート打設後スラブ全体にかけられていたシートを取り外し練炭を取り出した。その後倉庫の基礎立ち上がり部分のコンクリートを打設後、防火水槽内部の型枠支保工の解体作業を行った。作業は、2名が防火水槽の内部に入りパイプサポートを取り外し、防火水槽の外で他の2名がそれを受け取るというものであった。作業開始20分後に、内部に入った1名が膝を落としてうずくまり、防火水槽の外で作業していた作業監視員を含む3人で救出したが、内部に入っていたもう1名も体の不調を訴えだした。救出後2名ともに意識がなく、病院へ搬送され一酸化炭素中毒と診断された。両名とも意識は回復し、翌日退院した。
原因
[1] 一酸化炭素による健康障害が生ずるおそれのある自然換気の不十分な場所である防火水槽内において、作業開始前に酸素濃度や一酸化炭素濃度の測定を行わなかったこと。[2] 呼吸用保護具を着用していなかったこと。
[3] 一酸化炭素の危険有害性の認識が低かったこと。
対策
[1] 練炭等を使用する場合において、充分換気してから作業者を立ち入らせること。[2] 酸素濃度、一酸化炭素濃度などの測定を行い、安全を確認してから立ち入ること。
[3] 一酸化炭素中毒が発生するおそれのある場所に立ち入る際は、適切な呼吸用保護具を着用すること。
[4] 一酸化炭素の危険有害性の認識を高めるため、十分な安全衛生教育を行うこと。