洗浄槽を清掃中、有機溶剤中毒となり死亡
業種 | 機械(精密機械を除く)器具製造業 | |||||
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事業場規模 | − | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.915
発生状況
本災害は、有機溶剤が入っていた洗浄槽を清掃する作業において発生した。作業は、1,1,1-トリクロロエタンの入った洗浄槽の底に溜まったスラッジの除去を行うものであった。
被災者Aは、洗浄槽内の洗浄液をひしゃくですくい出した後、有機ガス用マスクを着用して槽内に入り、1人で新聞紙、ぼろ布でスラッジを取り除いていた。
スラッジ除去作業が静かになったのを心配して、同僚が様子を見に行ったところ、Aが意識を失って倒れているのが発見された。
Aは入院加療したものの、5日後に死亡した。
原因
[1] 有機溶剤作業主任者を選任していなかったこと。[2] 有機溶剤を入れたことのある洗浄槽内部での業務に作業者を従事させる前に、水又は水蒸気を用いて洗浄槽内部を洗浄しておらず、有機溶剤の排出が十分でなかったこと。
[3] 有機溶剤を入れたことのある洗浄槽内部での業務であるにもかかわらず、送気マスクを着用せず、有機ガス用防毒マスクを着用して作業を行っていたこと。
対策
[1] 有機溶剤作業主任者を選任し、その者に作業方法を決定させ、作業者を指揮させること。[2] 有機溶剤を入れたことのある洗浄槽内部での業務に作業者を従事させる前に水又は水蒸気を用いて洗浄槽内部を洗浄し、洗浄に用いた水又は水蒸気をタンクから排出すること。
[3] 有機溶剤を入れたことのある洗浄槽内部での業務に作業者を従事させるときは、送気マスクを使用させること。